大阪市西区の新町あたりは、今、注目されているゾーン。再開発で新しい高層マンションが立ち並び、カフェやレストラン、雑貨店などのお店も次々にオープンしています。オフィス街でもあるのですが、都心のオアシスとして有名で5月にバラ祭が開催される靱公園やオリックス劇場(旧・大阪厚生年金会館)もあります。憩いを求めて、また、芸術に触れる目的で、他の地区からわざわざ足を運ぶ人も多い。交通の便がいいのも魅力です。

 そんなエリアに2012年12月にオープンしたのが「薬膳なおかし ねこやなぎ」。6.5坪の小さなお店です。オーナーの谷昌代さんは、薬日本堂漢方スクールで漢方の基礎や養生について学んだ漢方スタイリスト。その知識を生かしたお菓子を自ら作ってひとりで販売しています。

 お店のカウンターに並ぶのは、ひと口サイズ位の小さな焼き菓子と袋入りのクッキー、そして、大きな瓶入りで1枚ずつ買える大きなクッキー。「ひとりで作っているので、今は、16、7種類。20種類を目指しています」と谷さんはにっこり。どれも100円台という手頃な値段。「おやつにちょっとずつ色々食べてみてほしいんです。3種類で500円位なら、家族みんなの分も買いやすいかなと思って」。お菓子の横に置かれたボードには、体質タイプ別のおすすめのお菓子が記されています。一見かわいいお菓子屋さんですが、体にいいおやつを選んで、気軽に買うことができます。

 谷さんは、4年前に手術で1週間入院。それまで派遣で銀行の事務センターで働いていましたが、「人に喜んでもらえる仕事をしたい。そして、それで元気になってもらえたらもっとうれしい」と強く思うようになったそう。元々お菓子作りが好きで、よく手作りして皆に喜ばれていたこともあり「お菓子屋をやろう!」と決心。でも、専門学校で学んだわけでもなく、お店で修業したこともありません。どうしたらいいか考えるうち、以前、何度か足を運んだことのある漢方カフェの存在を思い出して薬膳のお菓子に注目し、さっそく漢方スクールへ通って勉強します。「1年学んで、さらに中国茶藝と養生茶についても学びました」。オリジナルレシピのお菓子を販売するだけでなく、2月からは養生茶カフェもスタートさせたのです。

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2013.03.24(日)