宝石のような瑠璃色をたたえる圧巻のビーチ

 最初に向かったのは竹富町の国指定文化財、上地島のタカニク火番盛。琉球王府時代、八重山諸島の島々に造られた、琉球石灰岩を積み上げた見張り台です。

 異国船などがやってくるのを発見すると、火番盛に火を焚き、島から島へと船の到来を伝達していく機能があったそう。

 熱帯植物に埋もれるように立つ火番盛。かつて周囲は粟の畑が広がり、収穫期の初夏の夕暮れには一面黄色に染まったとか。

 そんななか、天秤棒を肩にかけた島民が家路につく姿が見られたそうです。

 島のいくつかのビーチは、どれも、これまで見たことのない美しさでした。

 特に驚いたのは、北の浜。

 波打ち際からサラサラとした白い砂、サンゴの欠片、ビーチロックと続き、陸にはアダンとモンパの木を満載した巨岩が控えています。

 そして、海の色の美しさといったら。宝石を覗き込んだような、光を宿した瑠璃色をたたえていました。

 桟橋近くの“クイヌパナ”(遠見台)から見下ろした海も、風情が異なる絶景。波で侵食されたサンゴの巨岩が浅瀬に点在し、まるでアート作品のようです。

2020.08.22(土)
文・撮影=古関千恵子