スペインの美食聖地・バスク地方と、豊饒な海を擁する日本の志摩地方。この2つの土地で育まれた奥深い食文化が運命的な出会いを果たす優雅なレストランで、今春いちばんの美味体験を満喫しよう。


ビスケー湾と英虞湾
2つの海が生み出す幸せの味わい

 世界が憧れる美食の聖地、スペイン・バスク地方。この地で2007年からミシュランの星を守り、さらなる躍進が期待される注目の店がある。「レストランテ・ココチャ」だ。

 厨房を率いるのは、ダニエル・ロペスさん。伝統的なバスク料理を独自の感性で再構築し、彼の手になる洗練された一皿は美しくありながら、満足感もたっぷり。心までも満たされる料理が魅力的である。

 そんなシェフが世界で唯一のコラボレストランの場所に選んだのが三重県志摩市。英虞湾を一望する高台に南欧の街並みを再現した優雅なリゾート、志摩地中海村に2019年2月、ゆったりとくつろいで美味に集中できるダイニングを誕生させたのだ。

「バスクと志摩。この2つの海は、実はとてもよく似ています。これまでいろいろなオファーを各国からいただきましたが、バスクと似たこの場所でならと思い、決断しました」

 かくして四季折々、伊勢志摩をはじめ、日本の旬の食材に触れながら、新たな料理を探求してきた1年間。実に様々な発見があったという。とりわけ深く実感したのが、ここ志摩の厨房チームの素晴らしさだ。

「この1年、僕の料理を理解した上で、バスクと同じレベルを保ってくれました。本当に感謝しています」

 加えて、とてもハッピーな1年だったとも。そんな真摯で穏やかなシェフが最も大切にすること。それは、常に進化していくこと、そして自分らしさを決して失わないことだ。

 志摩のレストランでは、バスクの味わいを忠実に再現するべく、調味料のひとつまで全く同じものを使い、一皿のディテールに徹底したこだわりを貫く。

 一方、志摩での発見が新たな美味も生み出している。

 今春には、バスクの海にはいないヒラメを使った新作を披露。そこにはバスクの伝統的なソースが添えられ、まさに日本とスペインが運命的な出会いを果たす一皿となっている。

「僕は、あくまで自分の目の届く範囲で料理をしたいと考えています。ミシュランの星も大事だけれど、それよりも大切なこと。それは僕の料理をきちんとこの志摩でも再現して、お客さまに提供することです」

 バスクと志摩。この幸せな出会いによって生まれる“口福”の美味。その味わいに磨きがかかる2年目、美食家たちの期待は高まるばかりだ。

 ランチは、青い海を眺めながら心地よいひとときを。美味を堪能した後は、リゾート散策を楽しみ、天然温泉で癒やされる日帰りプランも用意する。心ゆくまでシェフの料理世界を味わい尽くすならディナーがおすすめだ。贅沢なヴィラタイプの客室に滞在し、非日常を満喫したい。

 白亜のリゾートで楽しむ絶佳の美食。唯一無二の休日がここにある。

美食を堪能しながらリゾート滞在を楽しむ

ダニエル・シェフのフルコースをディナーで堪能するとともに、優雅なリゾート滞在も満喫できる宿泊プランを用意。クルージング、エステ、フィッシングなどのアクティビティも楽しみたい。


日帰りプランで美食と温泉を満喫

ショッピングやクラフト体験なども楽しめる志摩地中海村。注目したいのが、1日3組限定のランチと天然温泉での癒やしがセットになった日帰りプラン。1名 6,050円~(前日までに要予約)。

●志摩地中海村 レストラン
「リアス・バイ・ココチャ」

所在地 三重県志摩市浜島町迫子2619-1
電話番号 0599-52-1336(予約) 
営業時間 11:30~13:00(L.O.)、17:30~20:00(L.O.) ※要予約
料金 ランチ 5,500円~、ディナー 11,000円~


●志摩地中海村

宿泊料金 28,200円~(1泊1名様料金、1室2名利用、朝食、ココチャでの夕食付き)
アクセス 近鉄 鵜方駅から車で約15分。賢島から海上タクシーで約10分
https://www.puebloamigo.jp/

●お問い合わせ先
志摩地中海村

電話番号 0599-52-1336
https://www.puebloamigo.jp/

構成・文=矢野詔次郎
撮影=志水 隆