vol.22 Van Cleef & Arpels
(ヴァン クリーフ&アーペル)
時計「カデナ ウォッチ」

時計「カデナ ウォッチ」(YG×マザーオブパール、14×26mm、クオーツ)2,200,000円/ヴァン クリーフ&アーペル(ヴァン クリーフ&アーペル ル デスク)
左:コート173,000円/ジェイ ダブリュー アンダーソン(エドストローム オフィス)、バッグ(スタイリスト私物)
※記事内のYG=イエローゴールドを表します。

 一見するとブレスレット。でも、実はつけている人にしか見えない位置に小さなダイヤルがついている「カデナ ウォッチ」。

 南京錠をモチーフにしたこの時計が生まれたのは、1935年。

 女性が公の場で時間を気にしたり、時間を確認する仕草をするのははしたないと考えられていた時代に、当時社交界の華であったウィンザー公爵、または公爵夫人がコンセプトを提案したと伝えられているジュエリーウォッチ界の名作です。

 現代でも、例えばパーティーや会食で、時間を気にしている人を見ると「この後、何か用事があるのかな?」とか「もしかすると帰りたいのかしら?」と周りが気にしてしまうことってありますよね。

 そういう気遣いをさせずに時間を確認するという奥ゆかしい考え方を、モダンなフォルムで表現しているのが、この時計の素晴らしいところ。

 また、時間を確認するときに、斜め45度にすっと視線をずらすのですが、この流し目が実にエレガント。どうしたら女性が美しく見えるのか、仕草まで計算してデザインされているのも、ジュエラーが作る時計ならではだと思います。

 時代を超え、世界中のレディたちに愛されてきた時計がこの「カデナ ウォッチ」なのです。

「ダイヤモンドや他の石があしらわれたタイプもありますが、私は地金だけのデザインが好み。あえてTシャツに合わせてカジュアルにつけても素敵だと思います」。

伊藤美佐季(いとう みさき)

ジュエリーディレクター、スタイリスト。フィレンツェに遊学、帰国後スタイリストに。つける人の個性を活かしたスタイリングは、女性誌のほか多くの女優からも支持が厚い。ジュエリーに関する講演などでも活躍。

Column

伊藤美佐季のセンス・オブ・ジュエリー

ジュエリーディレクターの伊藤美佐季さんが指南する、大人のためのジュエリーの選び方と、つけ方のエッセンスを連載でお届けします。

2019.04.29(月)
Styling=Misaki Ito
Photographed=Masami Naruo(SEPT)
Make-up=Tomohiro Muramatsu(sekikawa office)
Hair=kazuhiro naka(KiKi inc.)
Text=Miwako Yuzawa

CREA 2019年5月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

久しぶりに、沖縄。

CREA 2019年5月号

食べて、遊んで、のんびりして
久しぶりに、沖縄。

特別定価800円

遠く青く澄んだ海にふりそそぐ陽光、どこからか聞こえる三線の響きに、うちなー言葉。日射しを避けてカフェで読書したり、ドライブインから海を眺めたり、〆ステーキに挑戦してみたり……久しぶりの沖縄は、なんだか新しくてでもどこか懐かしい、旅人たちが元気になれる場所でした。沖縄のお気に入りを詰め込んだ保存版です。