生まれてはじめて宝塚公演を見てきた。前から見たいと思っていたのだけどきっかけがなく、なにげなくHPを見たら雪組の『るろうに剣心』をやっていたので、これだ! と思ってチケットをゲット。『るろうに剣心』は思い出深い漫画なのだ。

 それはさかのぼること15年前。美術学生のわたしは、未読だった『剣心』を友達におもしろいとすすめられ、28巻セットを借りた。重くてその日は持って帰れそうもなかったので、友人のゼミ室に置いてもらうことに。数日後、さあ家に持って帰ろう! と思ってゼミ室に取りに行くと「ない! 『剣心』がない!」、焦ってゼミ生の友達に聞き回ったところ、なんとそのゼミの先生が捨てたということが判明。その先生は学科一怖くて有名だったので、わたしは諦めかけたのだが、正義感が強い友人が「なぜ『剣心』を捨てたのか」と、抗議をしはじめた。「私物をなんで捨てるんですか!」「ゼミ室に勉強以外のものはいらない!」と、学生VS先生の『剣心』をかけた全面戦争勃発。終いには、先生が「漫画=ゴミ→ゴミ箱」とホワイトボードに書き、「漫画=ゴミというところが納得できません!」と学生に言い返され、説明ができない先生が降参し、なんと先生が謝ったのだ。重いから他人のゼミ室に置いとこうという、ぐうたらなわたしのせいで大変なことになってしまった。そんなことがあって、しばらく『剣心』と聞くたびにいや~な気持ちになっていた。そして「いや~」は15年かけて青春の思い出に……。

 

 さて、話を戻そう。宝塚は女だらけで色々と怖そうなので、インターネットで予習。リュックには幕間に食べるおにぎりとお菓子をしのばせ、15分前には到着し、オペラグラスを借り、トイレを済ませ着席。約3時間の公演を楽しんできた。想像以上のキラキラなゴージャス感は「すごい」の一言。どうすごかったか、経験と語彙力の乏しいわたしの感想は「紅白」。小林幸子と美川憲一がいっぺんにでてきて、最後は出演者が全員でてきて一斉に歌って、今年もありがとう!  終わります! とテンションをあげあげにして去っていく感じ。平凡な平日の3時間が、年が終わって明けていくような濃密な時間に変身してしまった。見に来ている人たちは40~50代の女性が大半で、もっとキャーとか言うのかと思ったら大変静かで、オペラグラスをのぞくために肘から下を動かす以外は微動だにせず、熱心に鑑賞していた。幕間におにぎりを食べていると、女性2人組の「やっぱりすごいわね~久しぶりにテンションあがった」「斎藤一はちょっと違うかな」という感想が聞こえてきた。斎藤一は『るろうに剣心』に出てくる登場人物の名前だが、女優さんの可愛らしさがにじみ出ていて、たしかに一匹狼的な男男しい斎藤一はちょっとはまってないかもと同じ感想だったので、よく知ってるなとびっくり。いや、熱心なファンなら公演前に28巻読破したかもしれない。恐るべき宝塚ファンのバイタリティー。ファッションは、宝塚のゴージャス感に負けない濃厚ファッション。シンプルな服なんてつまんないわと言わんばかりの柄on柄、ピンクの巻き物、大ぶりのアクセサリーと、みなさんとびきりのおしゃれをしていた。

 

 


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