満開が見られる機会はとても貴重

 レマン湖が位置するスイス・ヴォー州のモントルーやヴヴェイの高地には、毎年5月から6月上旬にかけて、「5月の雪」と呼ばれる伝説の花、野生のナルシスが咲きます。日本の水仙と同属ではあるのですが、別の種類の花だそうです。天候によって毎年咲く時期は異なり、満開を見に行くチャンスはとても限られています。

 最近では農業の機械化や乱獲によって絶滅が危惧され、1999年に保護団体「ナルシス・リヴィエラ協会(Narcisses Riviera)」が発足しました。ナルシスの群生を守り伝統の風景を取り戻すための活動やガイド付きツアー、登山道の整備などが積極的に行われています。

 今回は開花が早かったレザヴァンの群生地を目指しました。モントルーで電車を乗り換えます(取材に行ったのは、2018年5月9日です)。

ゴールデンパスラインのモントルーとツヴァイジンメンを走るMOB路線の電車。
レマン湖と山々を眺める車窓に癒されます。

 標高約1000メートルのレザヴァン駅は少しひんやりしていました。駅舎から線路の反対側へ渡るとハイキングコースがはじまります。平日ということもあり、ご年配のハイカーが多くいらっしゃいました。

実は左手の牧草地に見えるうっすら白い部分がナルシスなのです!

 今日はハイキングをすることにしました。コースタイムは1時間50分/5.3キロ、標高差460メートルです。写真を撮ってゆっくり歩くともう少しかかります。山のお天気は崩れやすいので天気予報はしっかり確認してお出かけ下さい。

レザヴァン駅から出発し尾根まで上がり、そのまま尾根沿いを歩いて、駅まで1周するコースです。

 線路を渡るとすぐに看板があります。登山道にも分岐点にはナルシスのマークが付いたこの看板があるので、迷う心配はほぼありません。

こんな場所にも、何気なくキンポウゲやフウロソウが咲いています。

 レザヴァン駅の近くから標高1157メートルのソンルー行きのケーブルカーが運行しているので、きつい登りがしんどい方はショートカットも可能です。もちろん展望台へ行くだけでもおすすめです。

ケーブルカーが交差する瞬間はわくわくします!

文・撮影=西村志津