ジョン万の肖像画をもとにジーンズ姿をイメージしたイラスト。

 幕末の土佐から漁に出て漂流、米国船に助けられてそのまま渡米し、海外の知識を日本に持ちかえったジョン万次郎。14歳で漂流して以来、11年ぶりに土佐への帰国を果たしたという逸話は、大河ドラマ「西郷(せご)どん」の中でも出てくる有名なエピソードだ。万次郎がいた頃のアメリカ西海岸は当時ゴールドラッシュに沸いており、ジーンズはこの時代に金鉱発掘の作業着として誕生。帰国する費用を稼ぐために金鉱掘りをしていたというジョン万次郎は、ひょっとすると、日本人で初めてジーンズを穿いた男なのかもしれない。

 そのジョン万次郎にちなんで、今回「ジョン万デニム」プロジェクトがスタート。1870年代から1890年代のデニムディテールを取り入れながら、現代のデニムスタイルにも合うシルエットをデザインしたのは、原宿の老舗ヴィンテージショップ『BERBERJIN』のカリスマ店長・藤原裕氏。そして藤原氏のプロデュースのもと、ヴィンテージ古着の忠実な復刻をテーマとする『WAREHOUSE & CO.』藤木将己氏が製造を担当する。

1870~90年代のデニムディテールを取り入れてデザインされた「ジョン万ジーンズ」。
ご子孫の許可のもと、ジョン万次郎直筆のサインを使用。

 限定120本のジョン万ジーンズは、彼の生まれ故郷・土佐清水市にあるジョン万次郎資料館にて予約販売される。予約開始は2018年4月21日だ。

2018年4月1日、土佐清水市「ジョン万次郎資料館」がリニューアルオープン。

土佐清水市「ジョン万次郎資料館」
http://www.johnmung.info/

2018.03.30(金)
文=秋月康