アメリカ合衆国西部に位置するコロラド州は、数多くの温泉を有するエリア。そこには、日本の温泉情緒とは趣を異にするユニークなカルチャーが花開いています。雄大なアメリカンロッキーに抱かれた“いで湯の里USA”を、温泉エッセイストの山崎まゆみさんが旅しました。
vol.02 マウントプリンストン
巨大リゾートでミネラルに癒されて
ロッキー山脈の一部を成す“アメリカンロッキー”に属するマウントプリンストンをめがけて、一望千里の広野の一本道をひたすら走る。その先には、19世紀後半から愛されてきた巨大なリゾートが待っている。そこは、自然に抱かれる渓谷沿いの桃源郷のような癒しスポットだ。
約4300メートルの高さを誇るマウントプリンストンの麓、標高約2500メートルの位置に、約300ヘクタールの面積を有する「マウントプリンストン・ホットスプリングス・リゾート」がある。
右:キャビンのデッキからは、森を見渡せ、川のせせらぎが聞こえてくる。
ホテルの収容人数は250人。キャビンは32室。この他レストラン、スパもある。美しい山々を眺める宴会棟ではガーデンウエディングも行われる。
右:湧出量豊富な源泉ゆえに、ホテルの飲み水は全て温泉を使用している。ミネラルが豊富で、噛みしめるようにして飲んだ。
リゾートの広報担当のスコット氏が、なぜこれほどまでにコロラド州に温泉が湧くのかを教えてくれた。
コロラド州にあるアメリカンロッキー周辺はマグマが地表に近い位置にある。雪解け水が地下に浸透し、豊富にある地下水がマグマにより温まり、湧出するという。特にマウントプリンストンは岩が柔らかく、それはミネラルを多く含む温泉の影響なのだとか。
「温泉水を濾過して、私たちは飲み水として使っています。ミネラルが多いので、温泉を引くパイプにその成分が溜まるせいで詰まってしまい、配管の手入れにはお金がかかりますけどね(笑)」(スコット氏)
2018.02.01(木)
文・撮影=山崎まゆみ