「ユネスコ食文化創造都市」は
世界に26都市存在する
国連教育科学文化機関(ユネスコ)が日本時間2017年11月1日未明に公表したユネスコ・クリエイティブシティーズ(創造都市)ネットワークへの追加都市リストのなかで、マカオが食文化部門の「食文化創造都市」に登録されました。
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日本の文部科学省のウェブサイトによれば、ユネスコ・クリエイティブシティーズ(創造都市)ネットワークとは、「文学、映画、音楽、芸術などの分野において、都市間でパートナーシップを結び相互に経験・知識の共有を図り、またその国際的なネットワークを活用して国内・国際市場における文化的産物の普及を促進し、文化産業の強化による都市の活性化及び文化多様性への理解増進を図る」ことを目的として2004年に創設され、「世界遺産等とは異なり、条約に基づくものではなく、ユネスコが主体として実施する一事業」という位置づけとなっています。
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食文化創造都市はマカオを含めて世界に26都市が登録されており、中国では四川省成都市、広東省順徳市に続く3都市目となります。
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成都といえば四川料理、順徳といえば広東料理の本場というイメージが強いかと思いますが、マカオの場合は、料理よりもカジノや世界遺産を思い浮かべる方が多いかもしれません。実は、マカオはバラエティ豊かなグルメを楽しめる街としての一面も持ち合わせています。
ご当地の味「マカオ料理」のいろいろ
マカオには、マカオ料理というご当地料理が存在します。大航海時代以来、東洋と西洋を結ぶ貿易港として栄えたマカオで独自の発展を遂げたもので、ポルトガル料理をベースに、ポルトガル船が立ち寄ったアフリカ、インド、東南アジア各地と華南(中国南部)の調味料、食材、調理法などが融合したエキゾチックな料理といえます。
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アフリカンチキンやカレークラブなど、ふんだんにスパイスを使ったメニューが代表例として挙げられ、「大航海時代の味がする」とも形容されます。マカオにはポルトガル料理(中国語表記で「葡國菜」)の看板を掲げるレストランが多く存在しますが、その多くがマカオ料理メニューを提供しています。
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文・撮影=勝部悠人(マカオ新聞)