久々の不良キャラから
優等生キャラまでのふり幅

――実感がないとはいえ、次々と新しい現場に入るペースが早まっているのは事実ですよね。

 これは確かに難しい問題ですよね。先日も「セトウツミ」と『虹色デイズ』の撮影がちょっとカブっていましたし、自分は本当に器用じゃないので、役に対して真っすぐに取り組むことしかできないんです。だから、現場に入ってからその空気に慣れるまでが大変。『虹色デイズ』の現場も、ほかの(共演者)3人が仲良くなって、すでに出来上がっているところに、自分が入っていくという大変さがありました。

――まずは3月に公開された『PとJK』。映画でいえば、『渇き。』以来の不良キャラですが、やっぱり普段の高杉さんのイメージとはほど遠い役ですよね。

 原作を読ませてもらったときに、僕自身も大神(おおかみ)というキャラには本当に自分にはない、自分とかけ離れたイメージを持ちました。だからこそ、これは新たな壁であり、だからこそ演じ切りたいと思いました。でも、「全然、大神に見えない」という理由から、自分だけもう一度、台本読みをすることになり、廣木(隆一)監督から徹底的にダメ出しされたりしました。その最初の台本読みではメンタルをやられたりもしたんですが(笑)、「なにくそ!」という感じで悔しさを乗り越え、それにより、現場では楽しく演じることができました。

――翌4月には『ReLIFE リライフ』が公開されますが、ここで演じられた大神(おおが)は、クラス男子1位の委員長キャラ。なのに、ちょいとチャラい。そんなさじ加減が難しかったのでは?

 あのコはあの作品において、明るくて、キラキラな中心的存在。自分からすれば、何を考えているのか分からないほど、またも自分とは程遠いキャラだったんです。だから、役に入る前には、いつもキラキラを出すための気合を入れていたんです。そのため、その日の撮影が終わった瞬間に眠くなるほど疲れていました(笑)。

2017.12.08(金)
文=くれい響
撮影=橋本 篤
スタイリスト=石橋修一
ヘアメイク=堤紗也香