露店もいっぱいの楽しいお祭り

 2017年10月14日土曜日、ベルナーオーバーラント地方のレンク村で毎年秋に行われる「牧くだり」のイベントに出かけました。

こぢんまりとしたレンク村の駅前。

 「牧くだり」とは、牧童や牧夫たちが伝統衣装を着て、夏に山岳エリアで放牧されていた牛たちを麓へ連れて下りていくお祭りのことです。

 古都ルツェルンから、インターラーケン、ツヴァイジンメン、モントルーをつなぐ人気鉄道「ゴールデンパス・ライン」に乗り、途中駅のツヴァイジンメンでローカル電車に乗り換え。ようやくジンメンタールという谷のいちばん奥に位置するレンク村に到着です。

 標高1068メートル、人口約2300人、谷にも山にものどかな放牧地帯が広がります。雲ひとつない秋晴れに恵まれて、心が弾みます!

小さな村の駅前通り。

 レンクやツヴァイジンメンでは、アルプスでの暮らしや放牧風景をモチーフにした伝統工芸の切り絵が有名。左右対称の作品が多く、きめ細かい作品はとても綺麗です。今ではキッチンタオルなど、さまざまなお土産もののデザインにも使われています。

インフォメーションセンターのカウンターも切り絵のデザインで可愛らしい。

 レンクには、谷を挟んで2つのゴンドラがあり、夏はハイキングやパラグライダー、冬はスキーやソリなどのアクティビティを楽しむことができます。ベビーカーも押して歩けるハイキングコースやキッズゲレンデが充実しており、特にファミリーには優しい山岳リゾートエリアです。

左:アルプスの山々に囲まれ、多くの人でにぎわいます。
右:地元の少年少女の晴れ舞台!

 遠くからカウベルが鳴り響き、いよいよ牛のパレードの始まりです! 今日は朝から夕方まで1日に5回、5つの農家の人々がそれぞれパレードを行うとのこと。農家によって花飾りが異なるのが見どころのひとつです。

成牛たちは立派で華やかな飾りを頭につけます。
堂々と行進しますが、意外と動きが早くてあっという間にシャッターチャンスを逃してしまいます。

 チーズやサラミ、ワインやパン、伝統工芸の切り絵、おもちゃや子供服屋さんなどの露店もたくさん出ていました。

添加物の少ないスイス産の、体に優しいスパイスやハーブティー、シロップのお店。
乾燥肉やサラミ。

 チーズの味にそんなに違いがあるの? と思う方も多いでしょうが、お味噌のようにいろいろな種類があり、風味もその土地や作り方によって異なります。2016年にスイス国民一人あたりが食べたチーズは、なんと約22キロだとか! 各家庭では2~3種類のチーズが冷蔵庫に常備されています。そしてスイスには約450種類のチーズがあるそうです。

 乳牛は山を自由に歩き回りストレスの少ない環境で放牧されることが多く、質の良いミルクを出します。チーズを作る段階では人工の添加物もなるべく入れないよう推奨されているので、体に優しいチーズができるあがるのです。

 最近ではヤギのチーズも流行っています。臭みがありますがサラダに入れて蜂蜜をかけて食べると美味しいです。

各農家で作られた「アルプケーゼ」(山のチーズ)や、「ホーベルケーゼ」(アルプケーゼをさらに硬く仕上げて、薄くスライスしたもの)。

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文・撮影=西村志津