Magnificent View #1342
プウホヌア・オ・ホナウナウ(アメリカ)
かつてハワイには、食事や漁業、日常生活におけるさまざまな戒律があった。掟を破ると災いが起きると信じられ、犯罪者は処刑されていた厳しい制度だ。
死罪から逃れる唯一の方法が、「プウホヌア」という特別なエリアに逃げ込むことだった。プウホヌアはハワイ語で「逃れの地」や「聖域」を意味する。ここで祈祷を受ければ免罪となり、ふたたび普通の生活が送れるようになったという。
ハワイ全域にあったプウホヌアのなかで最も規模が大きく重要視されていたのが、ハワイ島西海岸にあるプウホヌア・オ・ホナウナウだ。カメハメハ2世が戒律を解くまでの約300年間、この地は聖域であり続けた。
1819年にすべての施設が解体された後、跡地はしばらく荒地となっていたが、1961年に再建され国立歴史公園に。園内には、ヤシの葉で葺かれた神殿のほか、家屋や偶像などが復元されている。
庶民にとって駆け込み寺のような存在だったこの場所。華やかなリゾート地ハワイの一角で、歴史を垣間見られるスポットでもある。
Column
今日の絶景
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2017.11.08(水)
文=芹澤和美