vol.07 CHANEL(シャネル)
「コード ココ」の時計

時計「コード ココ」(SS×ダイヤモンド、38.1×21.5mm、クオーツ) 575,000円/シャネル、ドレス 378,000円、パンツ 112,000円/ザ ロウ(コロネット) ※SS=ステンレススティール

 ジュエリーや時計は「着替える」のではなく、いつも同じものをしている人がいてもいい、というのが私の持論です。朝から晩まで、どんなシーンでも同じものをつけて、肌の一部のようにするりと馴染んでいるのは、すごく素敵だなぁと思うのです。そして、シャネルが作る時計は、まさにそんな女性にぴったりだと思います。

 いつも斬新なアイデアに溢れていて、新作が出るたびに感嘆させられるシャネルの時計ですが、今回もそう。ブランドのアイコニックなバッグに着想を得たバックルモチーフがケースのセンターにあしらわれたデザインに、“やはりモード界の王者が作る時計は違う”と嬉しくなりました。

 キルティングパターンをモチーフにしたブレスレットタイプで、どこかマスキュリンなこの時計を、あえて風に舞うようなドレスに合わせたのは、どんなシーンの、どんな洋服にもフィットすることを伝えたかったから。

 例えば黒いニットにデニムというカジュアルな装いにも、こんなフェミニンなドレスにもしっくりくる。この幅の広さこそが、「スタイルのある時計」たるゆえん。そして、シャネルの時計をしていると、必ずエレガンスがふわりと香り立つような気がするのです。

メゾンのコードがつまった新作「コード ココ」。バッグのように、バックル部分を縦横に回して楽しむことができるデザインに、「カチリと小さな音がして、手首で小さくバックルを回す仕草には色気がある。そんな演出もシャネルならでは」と伊藤さん。

伊藤美佐季(いとう みさき)
ジュエリーディレクター、スタイリスト。フィレンツェに遊学、帰国後スタイリストに。つける人の個性を活かしたスタイリングは、女性誌のほか多くの女優からも支持が厚い。ジュエリーに関する講演などでも活躍。

Column

伊藤美佐季のSource of yourself

ジュエリーディレクターの伊藤美佐季さんが指南する、大人のためのジュエリーの選び方と、つけ方のエッセンスを連載でお届けします。

2017.10.15(日)
styling=Misaki Ito
photographs=Masami Naruo(SEPT)
make-up=Tomohiro Muramatsu(sekikawa office)
hair=KENICHI FOR SENSE OF HUMOUR
text=Miwako Yuzawa

CREA 2017年11月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

やっぱり行きたいね、京都。

CREA 2017年11月号

やっぱり行きたいね、京都。

定価780円

鴨川べりの散歩道、かくれ家カフェに、しみじみおいしいごはん処――。忙しい日々の中でふと戻りたくなる町、京都。混んでいると聞いて最近少し足が遠のいていた人も、町が赤や黄色に色づく季節だから、久しぶりの京都旅にでかけませんか? 紅葉の隠れ名所に、外れなしのごはんリストなど、盛りだくさんの1冊になりました。