上野駅に13.5番線が完成!

 今年、旅行好きにとって最も大きな話題といえば「トランスイート四季島」。JR東日本がグループの総力を結集して、これまでにない上質な旅を具現化すると注目を集めている究極のクルーズトレインです。車両の開発・製造、専用ラウンジやホームの設置、贅を尽くした特注の調度品など、細部に至るまでとことんこだわりを貫いた結果、わずか10両編成の列車のために約100億円もの巨費を投じたというから驚くばかり!

 2017年5月1日からの運行開始に先駆けて行われた、車内の報道公開に行ってきました!

トランスイート四季島のゲストのための「上野駅13.5番線」。

 上野駅の改札を抜けて中に入ると、なにやら見慣れないスペースが目に入ります。黒を基調にして風格を感じさせるこの場所こそ、トランスイート四季島が発着する「13.5番線」。ふだんは固く扉が閉ざされ、この列車の華やかなゲストのためだけに開かれる、いわば“幻のプラットホーム”。駅構内の喧騒のなかにあっても、ここだけは不思議と厳かな空気が流れています。

 そのすぐそばには、乗車するゲスト専用のラウンジ「プロローグ四季島」が完成していました。空港のエグゼクティブラウンジのようにゆったりとした空間に、シックな調度品が上品に配されていて、到着したお客さまは旅の幸運と幸福を願ってまずは「乾杯!」。また、旅を思いっきり満喫して帰着した際にも、ここでフェアウェルパーティを開くそうです。

落ち着いた雰囲気のゲスト専用ラウンジ「プロローグ四季島」。日本の伝統的なモチーフも取り入れたインテリアが素敵。

 そして、いよいよトランスイート四季島がホームに到着です!

ホームに入ってくるトランスイート四季島。

 高貴なシャンパンゴールドに輝く車体が美しく、その斬新なデザインに目を見張るばかり。デザインを担当したのは、フェラーリやマセラティなどの名車も手がけてきた、工業デザイン界の世界的トップランナー奥山清行氏。大胆に開かれた窓がとても印象的で、近未来的なフォルムが非日常感たっぷりです。そして、東日本各地はもちろん、青函トンネルをくぐって北海道まで運行できるようにするため、これまでにない新技術も搭載されています。

左:SFアニメのように斬新なデザインの展望車。
右:車体には、四季と伝統をシンボライズしたロゴマークも。

2017.04.08(土)
文=矢野詔次郎
撮影=橋本篤