まるでガラクタ市のような雰囲気に
掘り出し物が見つかりそうな予感!

 先日、久しぶりにうちへ遊びに来た友人がつけていたネックレスが素敵だったのでそれを褒めたら、「メルカート・ウザート」で見つけたという。このところ、ときどき耳にするメルカート・ウザート(Mercato Usato)。直訳すれば「中古市場」である。

 いらなくなったものを持ち込む人が残して行く品を、欲しいという人が安価で買っていく。売り手側は持ち込み商品の査定を受けてOKであれば店内に陳列することができ、それが売れたら収入を得るというシステムだ。

グラスや食器類は安価で使えるものが見つかる可能性が大。

 メルカート・ウザートに人気が集まる背景には長年続くイタリアの不況もあるのだが、使えるものはなるべく捨てたくない、できるなら活用したい(してもらいたい)、というエコロジーに対するイタリア人の思いが強いからだろう。

買いたい商品はカゴに入れてレジへ持っていく。
ソファや椅子などは布の張替えが必要だが、アンティーク家具類はけっこうお買い得かも。

 「この服もそうなのよ」と、得意気にひとまわりしてみせる友人。服に関しては少々レトロ過ぎるというか、昭和っぽい雰囲気で今イチだったのだが、ビジューが充実しているという彼女の言葉に惹かれ、早速、ローマ・モンテヴェルデ地区にあるお薦めの店「メルカティーノ」を覗いてみることにした。

まるでガラクタ市のような店内。掘り出し物を探す楽しみがある。
入荷状況によるのかもしれないが、ブランド系小物、バッグ、靴は今ひとつ。

文・撮影=村本幸枝(アッティコ)