バルセロナの中心地に
新しいZARAが誕生

カタルーニャ広場に面しているファサードは、大きなガラス張りが特徴的。日が暮れるにつれて店内の灯りが輝きを増していき、広場を行きかう人々の目をひく。

 今やスペインのみならず、世界を代表するファストファッションブランドとなったZARA。バルセロナ市内にも数えきれないくらいの店舗がありますが、なかでも2016年末、カタルーニャ広場にオープンした新店舗がちょっとした話題になっています。

元銀行の建物らしく、落ち着いた雰囲気のエントランス。

 カタルーニャ広場といえば、旧市街と新市街のつなぎ目にあたり、メトロや市バス、さらにはRENFE(国鉄)、FGC(カタルーニャ鉄道)、空港バスなど、市内の交通機関のほとんどが交差する、いわば街の中心地。そこにオープンした新店舗というだけあって、ZARAとしてもブランドを代表する旗艦店のひとつという位置づけのようです。

ガラスの丸天井を中心に、明るく広々とした店内。オリジナルの設計は、モンジュイックの丘にある現カタルーニャ美術館などを手掛けた、エウヘニオ・ペドロ・センドヤ氏。

 建物は、1930年代にビルバオ銀行(現BBVA銀行)として建てられたもの。3フロアに分かれた新店舗の総売り場面積は3600平米以上あり、建設当時の重厚なイメージをできるだけ生かしつつも、モダンで明るい店内になっています。

 なんといっても目をひくのは、中央の大きなガラスの丸天井でしょう。フロアの大部分は、それを取り囲むように円形に配置されています。吹き抜けから店舗全体が見渡せるようになっており、美しい造りに見とれて写真を撮るお客さんも珍しくありません。

店内のエスカレーターからはカタルーニャ広場を一望できる。

文・撮影=坪田みゆき