今日の絶景

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トルコの断崖絶壁に張り付く修道院が
突如もぬけの殻になった理由とは?

Magnificent View #945
スメラ修道院(トルコ)

(C)Robert Harding Images / Masterfile / amanaimages

 トルコの黒海沿岸にあるトラブゾンの郊外には、崖に張り付くようにして立つスメラ修道院がある。

 標高1200メートル以上のこの地に修道院が建てられたのは、4世紀頃。当初は岩の割れ目を祈りの場としていたが、しだいに規模が拡大され、最盛期には72室に修道士が暮らしていた。現存の建物は14世紀に建てられたもので、その後、何度か改修が行なわれている。

 オスマン帝国下でも、ロシアの支配下でも、キリスト教徒が暮らす特別なエリアとして存続したこの修道院だが、トルコ共和国が成立した1923年、事実上の閉鎖。ギリシャとトルコとの間で行なわれた住民交換により、信徒がいなくなったためだ。最後に残った一人の修道士は、「イスラム教徒の手に落ちるよりは」と、貴重な品々を持ち出した後、数カ所を爆破したという。

 廃墟となったここを有名にしたのは、鮮やかなフレスコ画。4世紀から脈々と描かれたもので、中央にある礼拝堂の天井には、聖母マリアやキリストも描かれている。

2016.05.02(月)

文=芹澤和美

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