つくり手とのコミュニケーションも楽しいポイント

 その日はフランチャコルタの生産者「MONTE ROSSA (モンテ・ロッサ)」を招き、2種のフランチャコルタを飲み比べるという内容だった。フランチャコルタは北イタリアのロンバルディア州東部の地域名だが、その地方でシャンパーニュ方式(イタリアではメトド・クラシコと呼ばれている)によってつくられるスパークリングワインの総称にもなっている。世界に名を馳せるイタリアを代表するワインのひとつである。

試飲会が開催されるのは毎週金曜の夜。参加者のほとんどが常連さんだ。
チーズ、サラミ、カナッペ、フリット他。おつまみの量と内容に大満足。
自らマグナムボトルを手にして参加者にサービスするモンテ・ロッサ社マネージャーのマルコさん。

 もともとワインバーとしてつくられているわけではない「ラ・カンティーナ 29」。当然ながら店内は狭くテーブルも椅子もない。人の出入りが多いピークの時間帯は身動きを取るにもひと苦労といった状態だが、参加者が着席したままで生産者の話を聞くセミナー式の試飲会とは異なり、つくり手との距離が短く、気軽に質問を投げかけられるこの手の試飲会はなかなか楽しく、得るところも大きい。ワイン好きという共通項から見知らぬ参加者と話が弾むし、社交場として役割を果たしてくれるのも会場が狭いゆえのメリットと言えるだろう。

 さて、試飲の許容範囲を超えて2種のフランチャコルタを散々堪能させて頂いた私は、礼儀としてそのうちの1本を購入することにした。帰り際に名刺交換をしたモンテ・ロッサ社のマネージャー、マルコ・フェッラーリさんからは「今度ぜひ我が社に遊びにいらして下さい」と、社交辞令かもしれないお誘いを頂いたが、そこは素直に受け止めて、早速、友達とフランチャコルタ行きの計画を練り始めたところだ。

La Cantina XXIX (ラ・カンティーナ 29)
所在地 Piazzale Ponte Milvio 29/30 Roma
電話番号 +39-06-333-3462

MONTE ROSSA (モンテ・ロッサ)
所在地 Via Monte Rossa 1 rosso Bornato di Cazzago S. Martino (BS)
電話番号 +39-030-725066
URL http://www.monterossa.com/

村本幸枝 (むらもとゆきえ)
イタリアでは撮影コーディネートを、日本では東京・中央区で日伊文化交流サロン「アッティコ」を主宰。在伊歴20年ちょっと。現在、年の半分ずつをイタリアと日本で過ごしている

日伊文化交流サロン「アッティコ」:http://www.attico.net/

Column

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文・撮影=村本幸枝