京友禅の技法で革を染め日常づかいのアイテムへ

◆SOMEA

 日本三大友禅の一つ、京友禅。

 なかでも三百年以上の歴史を持つ手描き友禅は、模様の輪郭を糊で覆い色を染め分けることでできる、鮮やかな色使いが特徴。

 その技法を生かした「ソメア」は、手描き京友禅の工房「池内友禅」が2018年に立ち上げた革小物ブランドだ。

 「和小物ではない、暮らしに身近なものを作りたいと考えたのが始まり」と2代目の池内真広さん。伝統紋様をベースにした重ね立涌、くずし鱗、彩雲縞の文様を作り上げ、財布など革小物へと仕立てた。

 当初は着物と同じ絹地に彩色し、革と貼り合わせていたものの、2021年からは革そのものを彩色する方法に進化を遂げた。

 「革では京友禅のような色は出せないと思っていたけれど、コロナ禍で革職人の方々にも時間ができた。

 そこで革から染料まで、徹底的に試すことで鮮やかな色が表現できるように」新しいものへの挑戦が伝統を作ってきた、いかにも京都らしいエピソードである。

SOMEA

https://www.somea.jp/
※オンラインでも購入可。

ショップ:池内友禅

所在地 京都市右京区嵯峨五島町37
電話番号 075-882-9768
営業時間 10:00~18:00
定休日 月~金曜
https://www.ikeuchi-yuzen.com/

Text=Maki Takahashi、Mako Yamato
Photographs=Atsushi Hashimoto