『キング・アーサー』の面影を求め ウェールズを旅する

『キング・アーサー』の面影を求め ウェールズを旅する

中世そのままのウェールズを巡り
『キング・アーサー』の世界に浸る

 「スラムのガキから王になれ!」というキャッチフレーズを引っさげ、2017年6月17日から日本公開が始まった映画が『キング・アーサー』。ガイ・リッチーが監督を務め、聖剣エクスカリバーを振り回してのアーサーの大立回りに、巨大なゾウやらヘビやらまで現れる、スピードもスケールも備えた作品だ。

 そのロケの舞台となった、荘厳で特異な自然と伝説に彩られたウェールズの旅を、前後篇に分けてお届けする。今回はその前篇。

騎士が角から出て来そうな
中世そのままの城郭都市へ

コンウィ城のタワーには、今は赤い竜のウェールズの旗が掲げられている。

 まず、ウェールズってどこ? と思われる人にご説明を。

 そもそも英国は、英語でUKと略称しているが、正式には「the United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland」といって、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドという4つの地域(カントリー)の連合王国だ。

 ウェールズは、グリートブリテン島の南西部(イングランドの西隣)を占め、セントジョージ海峡の向こうはアイルランド。古代、ケルト系ブリトン人が住んでいたウェールズは、ローマ帝国や、5世紀に入って攻めて来たアングロ・サクソン人との戦いの歴史を持っている。

 アーサー王は、ブリトン人の君主としてサクソン人を撃退した伝説の人物だが、今回の映画をはじめ、最近ではゲームにまで登場する人気を誇る。「岩に刺さった“聖剣エクスカリバー”を引き抜いた者こそ王なり」という劇的な登場場面など、そのストーリーには心が躍る。

 映画『キング・アーサー』のロケ地でもあるウェールズを訪ねて、そんなアーサー王伝説に浸る旅。最初に訪れたのは、時代は13世紀と下るが、ウェールズに侵攻したイングランド王エドワード1世が築いた威風あるコンウィ城。

城の入り口には、英語とウェールズ語の表示が並ぶ。

 8つの円塔に3つの門、高い城壁、手前は濠になっており、まさに戦いのための城だったことを思わせる。

広大な城内。左手は大広間で、天井を支えるアーチが残っているのが見える。
左:門をくぐって城内に入るとこんなガードが。平和な時代には手持ちぶさた?
右:河口に突き出すようにある城。コンウィ川をまたぐ吊り橋があり、カモメ達が城を見守る。

 この城は世界遺産に登録されている。キッチンに大広間、王や女王の住まいだったタワー、捕われた兵士の入る刑務所など、朽ちてはいるものの今も城壁の角に騎士が息を潜めている感じがする。

中世の商館、プラス・マウワーは1577年にできた建物。ネズミ防止に食べ物を吊るす木箱、暖炉の上のローマ風を真似た稚拙な飾りなど、当時の豪商の暮らしが分かる。

 中世の商館が保存されている城下町も、違う時代に迷いこんだ気分で一日過ごせそうだ。

左:コンウィは海辺の町。波止場の赤い家は英国最小で2階建て。
右:「キャッスルホテル」で食べた、クリームをかけたムール貝は最高においしかった。

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2017.06.18(日)

文・撮影=小野アムスデン道子

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