星野リゾート リゾナーレ熱海(前篇)

 日本の地方の魅力を掘り起こし、プロデュースすることで日本の観光に一石を投じてきた星野リゾート。その各施設を訪れ、地方らしい遊び方、旅の仕方を再発見していこうというシリーズが「日本を遊ぼう!」。今回ご紹介するのは、東京から新幹線ひかり乗車で35分、湯処で有名な熱海の山上という地の利を生かして、海と森の遊びが満喫できる「星野リゾート リゾナーレ熱海」。

体感型ギャラリーで熱海を再発見!

入り口からすぐ、アクティビティラウンジから熱海の街と海を一望。

 古くから湯処として知られる熱海。なんと言っても新幹線でひかりを利用すれば東京から35分と近い! その熱海駅から送迎バスで高台に上り「星野リゾート リゾナーレ熱海」に到着。海をイメージしたブルーのアプローチを抜けると、まずはその眺望に目を奪われる。

左:エントランスに続くアプローチも海に誘われるようなカラー。
右:テーブルそれぞれに描かれた海に浮かぶ伊豆七島。形や大きさが把握できて上から見ても面白い。

 アクティビティラウンジと呼ばれる広々としたスペースには、海に浮かぶ伊豆七島をイメージしたテーブルが置かれ、壁にはクライミングウォールがあり、遊び心が刺激される。すぐ横にあるネイチャーウィンドウという体感型ギャラリーは、海と森の生き物を視覚や触覚、そしてクイズで楽しみながら体感できるスペースで、大人にも新鮮な発見がある。

 このネイチャーウィンドウは、1964年の東京オリンピックのロゴなどのクリエイションで知られる日本デザインセンターとのコラボだけあって、そのデザインや見せ方の工夫には驚かされる。

ネイチャーウィンドウの展示は、一見アート作品のように美しいが、それぞれが自然にちなんだ意味を持っていて、見飽きない。

 種ごとに異なる特徴を持つ鮮やかなウミウシがグラフィック作品になって飾られている。調理場で使われていたサザエの殻が浜辺にあるかのように置かれていて、その蓋はグラフィックに利用されている。伊豆の代表的な樹木である「伊豆九木」を体感できるブロックは、木の香りや重さがそれぞれ異なる。大人も子供もギャラリーの展示を通して“熱海再発見”ができる仕組み。

 さらに、サイコロをふって、ヒントをもらいながら展示を見ていく“熱海おでかけすごろく”なるものも配っていて、室内で遊び心に富んだ自然学習を楽しむことができるのだ。

左:カラフルな碁石のように並んでいるのは、なんと彩色したサザエの蓋。
右:木のブロックは、クスやケヤキなど伊豆にある樹木で作られている。手で重みを量ったり、香りをかいだり。

2017.04.15(土)
文=小野アムスデン道子
撮影=鈴木七絵