ハワイ本店そっくりの寛ぎの空間

 ハワイ版食べログともいえるグルメサイト、Yelp Honolulu。そこで常にベストスリーをキープする店がある。名前は楽と書いてGaku。ハワイなのになぜ日本食? しかも居酒屋!? と思っていたが、いざ訪問してみるとそのレベルの高さに驚いたものだった。

 当然、予約困難店。なにしろ世界的な観光地、ハワイだ。地元客はもちろん、LAやNYからも予約の電話が鳴る。ゆえに予約の受け付けは18時まで。18時30分以降はウォークインのみ。どんなセレブも列に並ぶ、そういう店だ。

 そんな楽が、2016年12月、ひっそりと東京は尾山台にオープン。あえて繁華街を狙わなかったのはなぜ?

 「もともとこの辺りで生まれ育ったんです。馴染みの土地がいいなぁと思ったら、すぐにここがみつかって」というのは、店主である菊池学さん。名前の学(まなぶ)を音読みにし、Gakuという店名にした。尾山台駅から1~2分で店に到着。

目立つ外観! 向かいには蕎麦の「三稜」と、うまい店が並ぶ。

 なかに入って驚いた。4人掛けテーブルは4、そしてカウンター、奥には座敷席……こ、これは! ハワイの店とそっくりではないか!

8席あるカウンターは、ハワイではプラチナシートとよばれている。

 この日は友人と8人で奥の座敷へ。ハワイの波を描いたアートやサーフボードがディスプレイされている。和とハワイの融合。

掘りごたつ式になっていて、マックス18名まで利用が可能。

 今回は、初めてここを訪れるみなさんのために、楽に来たらコレ!というメニューを教えよう。

 まずはオイスター・シューター(650円)で乾杯! カットした生牡蠣、ダシ、そして、シャリシャリに凍らせた日本酒がのっている小粋なアミューズ。

生牡蠣が入る時期のみある人気メニュー。

 常連が必ず注文するパリパリ魚骨せんべい(300円)。魚の身を丁寧にそいだあと、2~3日店内で陰干しし、カラッと素揚げ。香ばしく、お酒にぴったり。もうひと品は自家製塩辛(550円)。柚子を利かせ、生臭さを押さえた塩辛も酒を進ませる。

どちらも、お酒が進んでしかたがないニクイ品。

 「楽」の刻印を焼きいれた玉子焼き(450円)もマスト。

甘過ぎない玉子焼きは、大人も子どもも大好き。

 ハワイならではの和食も必食。まずは、ダイナマイトという名のアメリカン和食からいってみよう。

 魚介に単にマヨネーズをかけて焼いたものを出す店もあるが、ここはひと味違う。エビやホタテなどの魚介にシメジやエリンギを加えてソテー。そこに自家製クリームマヨネーズソースをたっぷりかけてベイクする。

シーフードダイナマイト(1,000円)。焼きたてはアツアツ! 子どもから大人まで誰もが好きな味。

 ハワイといえばポキも忘れてはならない。マグロのぶつ切りを醤油やゴマ油で味付けするローカルフードだが、そこに海藻や青ネギなどを使い、繊細に仕上げるのがGakuスタイル。

アヒポキ(1,500円)。アヒとはハワイ語でマグロのこと。

 マグロ好きならさらにスパイシー鮪タルタル(950円)もいってほしい。叩いたマグロに特製のタレ、キュウリの薄切り。

ユッケのようによくまぜたら、焼き海苔に巻いてパクッとやる。

 ベイクトクラブケーキ(1,200円)もおすすめだ。クラブケーキというと、揚げたものが多いが、ここでは、ほぐした蟹の身を特製ソースで味付けし丸い形に成形、サラマンダーで焼きあげる。

シンプルながら香ばしくうまい。キリッと冷えた白ワインが抜群に合う。

2017.02.20(月)
文・撮影=Keiko Spice