今日の絶景

今日の絶景

かつての栄華と悲惨な戦争の記憶を
静かに伝え続けるベトナム古都の王宮

Magnificent View #1013
フエ王宮(ベトナム)

(C)Robert Harding Images / Masterfile / amanaimages

 ベトナム中部にあるフエは、ベトナム最後の王朝、グエン朝の都として栄えた地。フエ王宮は、初代皇帝、ザーロン帝によって1805年に創建された。

 城壁と濠に囲まれて立つ王宮は、いたるところに金や赤、龍の装飾が施され、まるで中国の楼閣のよう。実際、モデルとなったのは清朝の紫禁城で、4分の3に縮小して造られている。紫禁城を模したのは、ベトナムが宗主国だった中国と同等の文明国であることを、国外に誇示するためだったのだとか。

 創建時は栄華を極めた王宮だが、現存する建築物はごくわずかで、ほとんどが近年に再建されたもの。ベトナム戦争中の1960年代後半にフエは激戦区となり、王宮にあった建物の多くも、爆撃で破壊されてしまったためだ。城壁には、砲撃や銃撃戦の痕も残る。

 フランスの植民地化、第二次世界大戦、さらにベトナム戦争など、時代に翻弄されたフエ。その街で歴史を刻んだ王宮はいま、世界遺産となり、各国から訪れた人たちに、静かに歴史を伝えている。

2016.07.09(土)

文=芹澤和美

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