登山、クライミング、自転車などに日頃から親しみ、アウトドア好きでも有名な高橋一生さん。

 そんな高橋さんが自然の魅力、アウトドアの醍醐味をたっぷりと語ってくれました!。

 CREA WEBでは、「CREA」2021年夏号のインタビューを大公開します!


高橋一生が夢中になるアウトドアの魅力

 登山、クライミング、自転車など、高橋一生さんがアウトドアに親しんでいることは広く知られている。この撮影をしながらも、キャンプをしに湖へ行ったときのことを語ってくれた。1日目は友人と共に、その後は車で移動し、ひとりで野山の散策を楽しんだそうだ。

 ついでに言うと、最近オーダーメイドで新しく自転車をあつらえたと言い、「ダート用のマウンテンバイクなので、今はとにかく早く山道を走りたいんです」と、目を細めてニンマリ微笑む。そこまで高橋さんが夢中になるアウトドアの魅力はどこにあるのか。

 そして、何を求め、何を得るために自然の中に足を踏み入れるのか。手始めにそのことを尋ねてみると、「ちょっと面倒くさい話になりますけれど……」と前置きした上で、話は思いも寄らない深みへとずんずん分け入っていった。

生きていると実感できるのは 自然の中にいるときだけ

「僕がアウトドアをする理由は、何もしない、をするため。登山をするにしても、野山を散策するにしても、その時間は他のことを考えなくてよくなるんです。それは普段、なかなかできないこと」

 確かに、時間を有効に使うように刷り込まれている現代人にとって、何もしないことは至難の業。

「肉体はどうしてもタスク的に動きますから。けれど、それはとてもつまらないことだなと思っていて。そもそも“有効”って何だろう? と思うんです。もともと人間は、効率的に動ける生き物ではないですから」

 生きていると実感できるのは、仕事をしているときでも、お芝居をしているときでもなく、自然の中にいるときだけ。

「人間は不器用な生き物で、これまでがんばって便利な世の中にしてきたけれど、結局のところ、便利は自分のものではないんです。それなのに、自分の能力だと勘違いしてしまっている。これはかなり恐ろしいことだと思います。今も昔も、実は人間はそんなに変わっていないですから。

 唯一、僕が生きていく意義を見出せるのが、便利さを省いた場所のような気がしています。どうしても家の中にいると便利なものが周りにあるので、なるべく便利なものが何もない場所に自分を置いてしまう、ということをしたいんです」

2021.07.24(土)
Text=Kozue Matsuyama
Photographs=Sai
Styling=Takanori Akiyama(fashion), Kiyomi Shiraogawa(interior)
Hair & Make-up=Mai Tanaka(MARVEE)
Cooperation=PROPS NOW, SCRAP PAGES, AWABEES

CREA 2021年夏号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。