今回のマクロビレシピに欠かせない食材はこれ!

バニラエキストラクト

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 甘い香りがする天然のバニラビーンズを、ブランデーなどの酒類に漬け込んで作られる香料。日本でよく耳にする「バニラエッセンス」とは別のもの。市販されている物の多くはオーガニックの素材を用いた品質の良いものが多く、50mL程度の量で約1,500円ほどで販売されています。決して安くはありませんが、人工的な強い香りと異なり、スイーツを上品な甘い香りに仕上げてくれる優れものです。ただし中には人工香料を使ったものもありますので、 原材料の表記を確認して選ぶようにしましょう。良いバニラビーンズが手に入ればブランデーと合わせて手作りしても良いでしょう。

アーモンドパウダー

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 オールベジのお料理では粉チーズの代わりにアーモンドパウダーの他、クルミやカシューナッツ、松の実などを煎ってパウダーにしたものを使い、コクを出します。ただしナッツは高カロリーの油脂分! おいしいのですが食べすぎには注意です。

 粉チーズの代用の他、クッキーやケーキの生地に入れることで軽い食感の仕上がりと豊かな風味が楽しめます。粉製品全般に言えることですが、特に油脂分の多いナッツ類は酸化しやすいので、開封後すぐに使いきれない場合は冷凍保存がおすすめです。

太白ごま油

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 ごま油の香りと色は、ごまを煎ることによって生まれてきますが、太白ごま油はごまを煎らずに生のまま搾っているごま油です。そのため、香りや色に癖はなく、色々な用途で使用できます。同じく使いやすいサラダオイルは、トランス脂肪酸含有のものが多いので気を付けたいものです。多少値段は張っても油は良質のものを選びましょう。また保存場所にも気を付けます。光や酸素で酸化が進むので、開封前も冷暗所で保管し、開封後は早めに使い切りましょう。

メープルシロップ

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 砂糖楓の樹液からとれる甘味料で、カナダ産のものが多く流通しています。マクロビ的には寒冷地で採取される甘味料であることから、南国産のサトウキビ由来の甘味料(白砂糖ほか、黒砂糖やキビ砂糖も含む)よりも体を冷やしにくいと考えられています。オーガニックのものがおすすめですが、手に入らない場合はせめて本物のメープルシロップを選ぶようにしましょう。安価なものはメープル風味のシロップとして売られており、白砂糖や人工甘味料、保存料などがはいっています。

ココナッツクリーム

 ココナッツクリームはココナッツの胚乳をすりおろし、水と煮込んで裏ごししたココナッツミルクとも呼ばれる甘い乳状のクリームです。トランス脂肪酸とコレステロールは含みません。缶詰で売られていることが多く、開封前は常温で保存できますが開封後は冷蔵庫に入れ早く使い切りましょう。酸化しやすいので、開封後に長期保存したい場合は冷凍庫に入れておきます。低温では、油脂分が凝固・分離することがありますが、その場合は加熱することで元に戻ります。

 お料理やお菓子作りに生クリームの代用としていろいろと使えて便利です。

リンゴジュース

 甘味を補う時に使う食材の一つです。輸入物の濃縮還元ではなく国産のストレート果汁100%のものを選びましょう。風邪で食欲がなく熱がある時にはリンゴジュースを葛粉と合わせて温めたものをいただくと、消化に負担がかからず優しく熱を取ってくれます。

 マクロビ的にみると、リンゴは丸い形と堅い身、そして寒い地方で取れる果実ということから中庸(ちゅうよう……陰と陽の中間)のエネルギーを持つ果物と考えます。ただし、果物は全般に陰性のエネルギーの食材なので体を冷やす傾向にあるものです。摂り過ぎには注意が必要です。冷え性の方は自然塩少々を加えていただくようにすると良いでしょう。

葛粉

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 葛は葛根湯の原料ともなる、食べるお薬。一年を通して毎日でも食べていただきたい食材です。マクロビ的には体を温める効果のある葛を、お料理やお菓子作りに多用します。

 本葛は100g 700円程度しますが、体を温めることで免疫力を高め、健康にもよく、また新陳代謝が高まることで美肌作りをサポートしてくれる、美容にもいいサプリメントです。1キロ 5,000円弱でお得に購入できるサイト(外部サイト)もあり。食欲のない時には、消化のいい葛をお湯で練り上げた葛練や葛湯で体調を整えます。その際の味付けは、体を冷やす白砂糖は使わずに、お味噌や醤油、塩などを。

 ねぎや生姜を入れるとおいしいスープにもなりますよ。

中村恭子 (なかむら きょうこ)
地産地消料理研究家/健康管理士
クシマクロビオティックス・コンシェルジュ/食育アドバイザー
2011年東京都より長野県茅野市に移住。同年、自身のプロデュースするオールベジの焼き菓子を提供するCafe 楢 Oak(カフェオーク)をオープン。また地産の伝統野菜を紹介するイベントの企画・運営や、それらを使ったオールベジ料理・菓子のメニュー開発等を行う。東京・蓼科で月に一度オールベジ料理を食べて学ぶ料理教室を主催。
ブログ(毎週水曜日更新) http://www.cafe-oak.net
※カフェの営業はゴールデンウィーク・夏季シーズンのみ
Facebook https://www.facebook.com/kyoko.nakamura.18

撮影/秋元良平 http://ryohei-akimoto.jp

Column

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「週1回ベジ食」のすすめ

週に1回、お肉を控えて野菜を中心にした食事をする「週1回ベジ食」はじめませんか? 「週1回ベジ食」は、体に優しいのはもちろん、肉食をやめることで地球温暖化の原因のひとつと言われる無理な畜産の抑制にもつながる、地球にも優しい食スタイル。自分と地球をいたわる、ヘルシーなだけでなくちゃんとおいしい「週1回ベジ食」レシピをご紹介します。

2015.10.20(火)
文=中村恭子
撮影=秋元良平