別の人格を持つ人間になる面白さ

――共演された江口洋介さんや本木雅弘さんら、先輩俳優たちから学んだものはありましたか?

 これについては現場のムードメーカーだった監督にも、コメディという作品性にも助けられましたね。だから、あまり気兼ねなくできたような気がします。正直なところ、シリアスなラブストーリーでやるんだったら、ちょっと悩んだかもしれません。

――モデル活動とは違う俳優の面白さについては、どう思いますか?

 そうですね。僕とは別の人格を持つ人間になるということが、いちばん大きいかもしれませんね。モデルのときは、自分が撮られるというより、まず洋服を綺麗に見せることが目的だったので、その感覚が強かった。でも、お芝居のときはちょっと違う。お客さんは僕が演じる役であったり、僕本人を観に来てくれるわけですから……。ちょっと不思議な感覚ですね。まだ、精神的にはあまり変わってないですが、いい緊張感を楽しむ余裕みたいなものも、少しずつ出てきたと思います。

2015.09.18(金)
文=くれい響
撮影=鈴木七絵