電気が通っていないはずの村になぜテレビが?

澄み渡ったブルーの海が広がるワラン・ビーチ。

 島の南西部のワラン村には、道路はもちろん、電気・ガスも通っていないという情報を聞きつけ、行ってみることに。ボートで村の近くまで向かったものの、運悪く干潮で水深が浅すぎて進めない。仕方なく徒歩でアマモが揺れる浅瀬を渡り、マングローブの気根(大気中に露出して呼吸を助ける根)が剣山のように生えた湿地を進み、ようやく村に到着。

 暑い盛りの昼下がりだったせいか、村は閑散として、人の気配を感じません。民家に声をかけて、覗いてみたところ、ようやく村人を発見。想像ではとんでもない未開の村を想像していましたが、暮らしぶりは島内の他の村と変わりなし。そして室内でふと目にしたのが、なんとテレビ。

「あれ? 電気、ないのでは?」

 あれは自家発電だったのでしょうか。今となっては謎ですが。

満潮時にボートで訪れる、道路も電気も通っていないワルン村。

 何もないようなコスラエ島ですが、見どころがいろいろあります。

 固有種の“カ”の木が密生するイエラの森、巨大な玄武岩を組んだレラ遺跡、カヌーで進むウトウェ・ワラン・マングローブ・チャネル、幹が七色のレインボーツリー、そしてハードコーラルが素晴らしいダイビングなど。どれも自然が舞台の、天然のアクティビティ。豊かな自然を体感できることでしょう。

かつて王族たちの埋葬地だったとされる、ぽっかり口を開いたブルーホール。ダイビングやスノーケリングのスポットとなっています。

コスラエ島
●アクセス グアムからユナイテッド航空のアイランドホッパー路線を利用し、約5時間30分
●おすすめステイ先 コスラエ・ノーティラス・リゾート
URL http://kosrae.wix.com/tour (日本語での問い合わせ先:コスラエ・ツアー・カンパニー)

【写真提供】
コスラエ州政府観光局

URL https://www.facebook.com/kosrae.jp

古関千恵子 (こせき ちえこ)
リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/5世紀あまり。世界各国のビーチを紹介する「世界のビーチガイド」で、日々ニュースを発信中。
「世界のビーチガイド」 http://www.world-beach-guide.com/

Column

古関千恵子の世界極楽ビーチ百景

一口でビーチと言っても、タイプはさまざま。この広い世界に同じ風景は一つとして存在しないし、何と言っても地球の7割は海。つまり、その数は無尽蔵ってこと? 今まで津々浦々の海岸を訪れてきたビーチライター・古関千恵子さんが、至福のビーチを厳選してご紹介します!

2015.06.13(土)
文=古関千恵子