「マンダリン オリエンタル バルセロナ」の美食

「MOメント」。キッチンの前にあるテーブルをカーテンで仕切って、プライベートなシェフズテーブルとして楽しむことができる。

以前の記事でもご紹介した「マンダリン オリエンタル バルセロナ」。今回は、館内のレストランとバーをご紹介したい。バルセロナを代表する5ツ星ホテルだけに、味、雰囲気、サービスとも素晴らしく、また訪れたいと思ったのだった。

「MOメント」のガストロノミック・テイスティング・メニューの1品、グリーン・キャビア。マレスメ産の新鮮なグリンピースは、日本でポピュラーなグリンピースとはまったく違うフレッシュな美味しさ。

 まずは、オリジナリティあふれるカタルーニャ料理のファインダイニング、「MOメント」。ミシュランの星を合計7個と、世界で最も多く受賞している女性シェフ、カルメ・ルスカイェーダとコラボしたレストランだ。2012年末にはミシュランの2ツ星を受賞している。ガラス越しにキッチンを眺めながら食事を楽しむことができるシェフズテーブルが楽しい。

左:リンゴとアンズを使ったイベリコ豚のミガス(パンくずや野菜を煮込んだもの)。野菜のうま味がイベリコ豚の味を引き立てていて絶品!
右:デザート3品のうちの1品、ナクレ。真珠のようなチョコレートが飾られていて感動的な盛りつけ。ゼラチンシートの中に、アイスクリームとパッションフルーツ、マンゴーが隠されている。
ガウディズ・ドラゴン。ガウディのグエル公園にあるドラゴンを模したクッキー。食べるのに困ってしまうほど精巧に作られている。

 料理は、味はもちろん、盛りつけが創造性に富んで美しいので、舌だけでなく目でも楽しむことができる。デザートのガウディズ・ドラゴンは、食べるのが惜しいくらい芸術的!

朝の「ビストロ バイ アンヘル・レオン」。やわらかな外光が気持ちいい。

 メインレストランの「ビストロ バイ アンヘル・レオン」は、朝食時には、やわらかな外光が注いで気持ちがいい。パンコントマテやイベリコ豚の生ハムも並ぶビュッフェの他に、オーダーしてから作る温かい料理には、卵料理のほかに蒸し餃子などもあって、アジア系の連泊滞在ゲストにはうれしい。

「ラ メサ」のプランクトンのリゾット。見た目は強烈だが、薄い塩味で、プランクトンの主張はあまり感じられなかった(笑)。

 夜になると、「ビストロ バイ アンヘル・レオン」は、要予約で12人限定のシェフズテーブル「ラ メサ」となる。アンヘル・レオンは、「海の料理人」と呼ばれるほど、海産物に関する知識が豊富なことで知られるシェフ。使う食材は魚や甲殻類から、海藻、海塩、プランクトンまでと幅広い。

 いくつかの驚きがあったが、なかでもプランクトンのリゾットは見た目もプランクトンそのもの(笑)。日本で話題のユーグレナかと尋ねたところ、違う種類とのこと。日本人でさえ知らない海産物に興味津々の夕食となった。

「バンカーズ バー」。銀行として使われていた時代に貸金庫があった部屋を利用している。

 ディナーの前、または後にオススメなのは「バンカーズ バー」。もともと銀行だった建物のオリジナルの貸金庫が残されていて、その貸金庫を模した棚からカクテルを出すというユニークなサービスが人気だ。

左:オリジナルの貸金庫は開くことができないが、貸金庫を模した棚を使ってカクテルを出すユニークなサービスが。
右:季節限定の「ミモザ ガーデン」。街中とは思えないほど静かで緑豊かなオアシスだ。ハーブ園でもあるので、ハーブの香りを楽しみながらくつろぐことができる。

 ほかに、夏になると、中庭の「ミモザ ガーデン」や、ルーフトッププールと眺望を楽しめる「テラット」がある。ホテルから一歩も出なくても、極上の美食を愉しむことができるのだ。

Mandarin Oriental Barcelona(マンダリン オリエンタル バルセロナ)
所在地 Passeig de Gràcia, 38-40, 08007 Barcelona, Spain
電話 +34-93-151-8888
URL http://www.mandarinoriental.co.jp/barcelona

2015.06.03(水)
文・撮影=たかせ藍沙