チャンスをつかみ、役者の道へ転身

――「EXILE」に入りたいという気持ちがあったということは、かなりのファンだったということですか。

 確かに自分で車を運転するようになって、「EXILE」の曲を多く聴くようになってはいましたが、熱心なファンというわけではありませんでした。ただ、それまでオーディションのようなものは一切受けたことはなくて、専門学校の先生から「この機会に受けてみれば」と勧められたのが、たまたまあのオーディションだったというわけです。

――そのオーディションは残念ながら2次審査で落選。その後、事務所の方から「役者をやってみないか?」と誘われ、俳優の道に進まれるわけですが、そのときの心境は?

 もともと地元で知り合いだったSHOKICHI(後に新生J Soul Brothersメンバーを経て、「EXILE」に加入)と佐藤広大(後にソロミュージシャンとしてデビュー)と一緒に同じオーディションを受けたわけですが、SHOKICHIだけが3次審査まで行ったという話を聞いて、とても悔しかったことを覚えています。でも、事務所の方から「役者をやってみないか?」と言われたときは、是が非でもこのチャンスにしがみつきたい気持ちが大きくて、「是非やらせてください!」と答えましたね。

――とはいえ、その後の演技レッスンを受けていくなかで葛藤があったと聞いていますが。

 最初に歌をやっていきたいという気持ちがあまりに強かったこともあり、今後は俳優を目指すと決めながらも、どこかで歌に未練があったとは思いますね。だから、よく「芝居をやっていくんだ」と、あえて自分で口に出して言い聞かせていたような気がします。

2015.05.15(金)
文=くれい響
撮影=中井菜央