アゼルバイジャンは建築デザインが凄い!

ヘイダル・アリエフ文化センターは、ふわりと動きそうな柔らかい曲線が優美なデザイン。

 2030年には世界一高いビルが完成する予定のアゼルバイジャンは、建築業界からも注目されている。渡航の直前に、日本を代表するインテリア業界の方々にお目にかかる機会があった。そこでアゼルバイジャンの名前が出た。彼らも注目する最新デザインがあるのだ。

左:エントランスの内側。縦横のよりどころがないので遠近感が曖昧になってしまう。
右:2階には、アゼルバイジャンの第3代大統領の、ヘイダル・アリエフ大統領の功績やアゼルバイジャンの歴史が展示されている。

 ヘイダル・アリエフ文化センターは、新国立競技場のデザインで話題となったザハ・ハディドが手がけて2012年に完成したもの。白い布をふわりと巻き付けたような柔らかな曲線美は、遠くからでも目を引く。

1階と2階を繋ぐ階段は、まるで映画に出てくるタイムマシンのトンネルのような、なだらかなカーブを描いていて美しい。

 中は、まるでSF映画のセットのような不思議な空間になっている。タイムマシンを彷彿とさせるトンネル状の美しい曲面や、緩やかにカーブしている階段を歩いていると、まるで自分がふわふわと浮いているかのような錯覚に陥ってしまった。2階には、遺跡、民族衣装、絨毯、楽器などの展示とともに、歴史文化が紹介され、大統領の経歴や経済成長の軌跡が映像を駆使し、最先端の美術ギャラリーのような美しさで展示されている。

左:フレームタワーは、間近で見上げるとこんな感じ。周辺のビルが映り込んでいる。
右:夜になると、ゆらゆらとフレーム(炎)が映し出されたり、アゼルバイジャンの国旗になったりと、バクーを象徴する建物だ。

 もうひとつ、首都バクーを代表する建築がフレームタワー(炎のタワー)という名の3本のタワーだ。日が落ちると炎やアゼルバイジャンの国旗が外壁に映し出され、バクーの夜を彩っている。

 このタワー、写真を撮るのに苦労した。なぜなら、イルミネーションが始まる時間も日によって違うし、3本のタワーを望むことができる場所がなかなか見つからなかったのだ。初日には2本しか撮影できなかった。「えー、これ、大事な写真じゃないの! 何とかならないの?」とコーディネーターにお願いして、翌日の移動の途中に車を止めてもらうことに。ところが、今度はイルミネーションが点灯していない! もう諦めるしかなかった、涙。これもアゼルバイジャンのスタイル?

左:建設現場の見学にあたり、ヘルメットと安全靴を着用したジャーナリストたち。
右:いざ、65000人収容のバクー・ナショナル・スタジアムへ!

 気を取り直して、翌日はヨーロピアン・ゲームズのために建設された施設を視察することに。バクー・ナショナル・スタジアムは、65000人収容の巨大スタジアム。まだ建設工事中のためヘルメットに安全靴をお借りしての視察となった。東京ドームの46000人よりも19000人も多いその規模に驚かされた。

中に入ると規模の大きさがよく分かる。巨大なトラックがミニカーに見えてしまう。

 そして、ジムナスティック・アリーナへ。こちらは6400人収容で、体操や柔道などの競技が行われる場所。外観は波打つような装飾が施される予定だ。中に入ってびっくり! 建物の視察のはずが、体操美少女たちが演技の練習をしていたのだ!

ヨーロピアン・ゲームズ
会期 2015年6月12日(金)~28日(日)
URL http://www.baku2015.com/

2014.11.18(火)
文・撮影=たかせ藍沙