街のすみずみに漂う異国の様式やエッセンス

福建会館。内部には大きな渦巻きの線香の香りが立ち込めている。

 華僑の文化もいたるところに残る。同郷の人々が集まる会館と呼ばれる集会所は、それぞれ彫刻など細工を施した見応えのある造り。たとえば福建会館は赤や黄色の原色が鮮やか。内部には航海安全の守り神である天上聖母(媽祖)が祀られている。貿易で財を成した町家も華僑の住まいが多い。

左:福建会館。
右:南国特有のフルーツが豊富。

 大航海時代、夢と財を求めて渡ってくる多くの異国人が行き交い活気溢れる街だったホイアン。街のすみずみに日本、中国をはじめとする様々な国の様式やエッセンスが残り、賑やかだった当時の雰囲気を伝える。歴史とのどかな風景が絶妙に溶けあい、独特の魅力を生み出しているのだ。

生鮮食料品や日用雑貨の店が並ぶホイアン市場。

 街の散策に疲れたら、名物のホワイトローズに舌鼓を打つのもいい。特等席は街を一望できるアンホイ橋のたもと。夜になれば露店のランタンにも灯りがつき、より一層鮮やかになる。

日が暮れるとランタンの夜店が一段と美しく輝く。

通貨=ドン 1,000ドン=約4.8円
時差=-2時間
国番号=84
※データは2014年5月22日現在のものです。

人生最高の旅

2014.07.03(木)
撮影=榎本麻美
コーディネート=隅野史郎

CREA 2014年7月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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