#005 Nokanhui
ノカンウィ(ニューカレドニア)

青と白だけの世界に包まれるニューカレドニアのノカンウィ。上陸するには3つの条件が必要。クリアできるか!? (C) Dosdane / NCTPS

真っ白なサンドバンクを浅瀬のラグーンがぐるりと囲む

 ニューカレドニアの離島の中でも人気が高いイル・デ・パン。その沖に浮かぶサンドバンク(砂洲)、ノカンウィは3つの島からなる無人島です。奇跡のように美しい島なのですが、いくつかの幸運が重ならないと辿りつけない、いわば幻の島です。

 訪問を許されるには、クリアしなくてはならない条件が3つあります。

 まずイル・デ・パンに滞在しなければなりません。早朝にボートで出発するので、首都ヌメアからの午前のフライトではどうやら遅いらしいのです(潮の干満の関係なのか、聖なる場所だからなのか、そのあたりは不明なのですが……)。

 次の条件としては、族長が許した船でないと渡ってはなりません。つまり船を持っている人なら誰でも行けるわけではなく、おのずと人数制限がされています。

 そしてノカンウィの周囲は浅瀬なので、満潮時しか船が接近することができず、おまけに海況の影響も受けやすいので、出航しない日もあるそう。

白砂の道の細い部分では、両側から波がひたひたと打ち寄せてきます。歩いているだけで夢見心地な白砂のかけ橋です。 (C) Dosdane / NCTPS

 これらの関門をパスして目指すノカンウィは、イル・デ・パンから船で約30分。遠浅の海はどこまでも澄み渡り、ボートの上からでも海底の砂紋や横切っていく魚達の様子をすぐそばに見てとれます。海底に手が届くかと、水中に腕を突っ込んでみても、見た目以上に水深があり、空ぶったように指の間を水だけが抜けていくのです。それもまた楽しくて、水遊びをしているうちに、キャプテンから上陸の指示が。

 上陸したのは、アジサシが羽を休める灌木が茂った小さな島。その島の端から魔法の壺から昇るケムリのような形をした、真っ白なサンドバンクが伸びています。砂地を黙々と先端へ向かって歩いていくと、周囲はぐるりと浅瀬のラグーン。目にまぶしいほど光が乱反射しています。沖に目を向けると、水平線に滲んだように平たい島。上空を仰げば、白いアジサシが時折、横切ります。ほかに視界に入るものも、ありません。そして自分の鼓動が聞こえてきそうなほど、静か。

カイトサーフィンを楽しむローカルも。贅沢な楽しみ方ですネ! (C) Dosdane / NCTPS

 ひとしきりブルーと白が織りなすコントラストを満喫したら、さぁ長居は無用!? というのも、強烈な日差しから守ってくれる日よけがないのです。サングラスに帽子などの日差し対策は忘れずに……。

 必ず行けるとは限らないけれど、行けたらラッキーなノカンウィ。運だめしのつもりで、訪れてみてはいかが?

ノカンウィ
アクセス イル・デ・パンから族長から許しを得た船で約30分
おすすめステイ先 ウエ・テラ・ビーチリゾート
URL http://www.tera-hotels-resorts.com/hotel,oure

古関千恵子 (こせき ちえこ)
リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/5世紀あまり。世界各国のビーチを紹介する「世界のビーチガイド」で、日々ニュースを発信中。
「世界のビーチガイド」 http://www.world-beach-guide.com/

Column

古関千恵子の世界極楽ビーチ百景

一口でビーチと言っても、タイプはさまざま。この広い世界に同じ風景は一つとして存在しないし、何と言っても地球の7割は海。つまり、その数は無尽蔵ってこと? 今まで津々浦々の海岸を訪れてきたビーチライター・古関千恵子さんが、至福のビーチを厳選してご紹介します!

2014.05.10(土)
文=古関千恵子