パンとお菓子の数だけこだわりが

パルミエ 155円

 高木さんご自身が大好きだという「パルミエ」。ハート型をした何気ないお菓子ですが、「焼き加減がポイント。砂糖がキャラメリゼした状態まで、よく焼いてパリッとさせます。焦げても、焼きが浅くてもダメ。パンもお菓子も、小麦粉の一粒一粒にまできっちり火を入れて焼き込むことが大切なんです」と言う高木さんこだわりの逸品。パリパリ、サクサクの軽やかな歯触り。ほのかな甘さと香ばしい苦味で、コーヒーによく合うお菓子です。

「フラン・ナチュール」も、見た目は地味ですが、こだわりたっぷりのお菓子。ベースの生地を焼くのに1時間。冷ましたら、銅鍋でていねいに炊いたクリームを流し入れて再びオーブンで焼く。朝から5時間がかりでやっとお店に並ぶのだそう。食べると、クリームをギュッと凝縮した豊かな風味と上質なクリームのまろやかさにうっとり。きっちり焼き込んだ香ばしさとバニラの芳香が口中に広がります。

フラン・ナチュール 210円
スフォリアテッレ 150円

 2枚貝のような形をした「スフォリアテッレ」はイタリア・ナポリのお菓子。「ナポリで食べて、すごくおいしいし、日本で見たことがなかったので、ぜひ作ろうと思って」と高木さん。現地ではラードを使うのをバターに変えるなど、試行錯誤を繰り返したと言います。今ではすっかりお店の定番になった一品。食べるとたくさんの層がサクサク、パリパリとした独特の食感。中のクリームは甘くて濃い味わい。ブランジュリーでこんな珍しいイタリア菓子に出合えるとは!

「日本のおやつといえば、クリームパン。フランスのおやつといえば、パン・オ・ショコラでしょう」。どちらも欠かすことはありません。クリームパンは、ちょっぴりリッチな味わい。バニラビーンズをたっぷり使ったクリームとパン生地が、噛むうちに口の中ですうっと消えてしまいます。

「クリームパンはほんの少し温めると、焼き立てのおいしさが楽しめますよ」と高木さんはにっこり。発酵バターを使ったクロワッサンも、焦げないようにアルミホイルで包んでオーブントースターで温めるといいそうです。

左:クリームパン 140円
右:パン・オ・ショコラ 170円

 パン・オ・ショコラは、バターの香り豊かなサクサクの生地とほろ苦いチョコの風味がマッチ。クセになる味わいです。

いちじくの赤ワイン煮 クリームパン 210円

 リッチなブリオッシュ生地でいちじくの赤ワイン煮とカスタードクリームを包んで焼き上げた高木さんの創作パンは、ちょっと変わったマドレーヌ型。コーヒーはもちろん、ワインにも合う、とびきりリッチな味わいです。大人のためのクリームパンといえるでしょう。

豆乳ドーナツ 65円

 一方、「豆乳ドーナツ」は子供達が大好きなおやつ。国産大豆100%で、消泡剤を使っていない豆乳を生地に加えたドーナツは『パラダイス&ランチ』から20年以上作り続けているのだそう。ひかえめな甘さと揚げ油の口切れのよさが人気の理由です。

「この仕事をして35年。まだまだ作りたいパンやお菓子がある。すべて自分が食べたいと思うものなんですけれどね」と笑う高木さん。

 お店の一角には、エスプレッソマシーンがさりげなく置かれています。テイクアウトでとびきりおいしいコーヒーが飲めるのです。エスプレッソに合うパンやお菓子も一緒に買って、中之島公園まで散歩しましょう。ひと足早い春のおやつタイムです。

左:エスプレッソコーナー。エスプレッソとともにおいしいパンをテイクアウトできる。
右:壁面にさりげなく飾られている絵。

ブランジュリー タカギ
所在地 大阪府大阪市西区江戸堀1-5-1
電話番号 06-4803-0008

宗田洋子(そおだ よおこ)
ライター。神戸生まれの神戸育ち。神戸を離れたことがない神戸っ子。ライター歴30年以上で、関西の雑誌の取材だけでなく全国誌でも関西取材を手がけ、老舗から新店まで回ったお店は数知れず。移り変わる街を見続けてきた。食いしん坊で飲んべえ。

Column

そおだよおこの関西おいしい、おやつ紀行

生まれも育ちも神戸の生粋の神戸っ子で、長年の関西での取材経験からおいしいお店を知り尽くしている、ライターのそおだよおこさんが、関西の「今、食べてほしい!」というおやつを紹介します。

2014.02.09(日)