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パイロット養成校に通っていたJaさん

ーーファーストさんはどうお考えですか?

ファースト 僕が思うに、タイではBLドラマが大量に制作されていて、社会においてもとてもオープンな考えの人が増えています。こうした恋愛ドラマを、ストーリーだけでなく音楽を含め多角的にアピールしている。タイがオープンな社会になってきたと感じますし、それ自体もまたドラマの魅力になっているという気がします。

ーーところで、ジャーさんはパイロットを養成する航空学校に、ファーストさんは大学の建築学部に通っていたと聞きました。そんなお二人が、俳優になったきっかけは何でしょうか?

ジャー 学生時代、仲の良い先輩が芸能界に入り、学業と両立していたんですが、あるときその人のマネージャーさんからスカウトされたんです。ちょうど僕も何か新しいことを試してみたいと思っていたので、そのオファーを受けました。それから少しして、就職を考える時期にちょうどコロナ禍になり、航空業界は大きな打撃を受けてしまったんですね。そこで僕は俳優の道に進もうと思ったんです。

ーーまだパイロットになりたいというお気持ちはありますか?

ジャー 俳優業も、パイロットも、どちらも好きなので、可能なら、両方出来たらいいなとは思います。今までにないタイプの俳優になれたらいいですね。

ーーファーストさんは大学の卒論が大変だったとも聞きましたよ。

ファースト あああ(頭を抱えて、大きなリアクション)。

ーーあらぁ、思い出しても、本当に辛かったんですねえ!

ファースト はい、そうなんです(照れながら)。僕はもともとはスポーツ選手だったんです。両親がとても応援してくれて、地方からバンコクに行き、バドミントンの強豪高校に通うことになって。それでサイアム・パラゴンというバンコクの大きなデパートを歩いていたら、まずモデルとしてスカウトされたんです。両親と相談して、バドミントンと並行して芸能の仕事もしてみようということになったんですが、それほど活発に活動していたわけではなく、高校時代はバドミントンを優先していました。

 スポーツも好きだけど、大学で建築学部を選んだのは、僕は絵やデザインが好きなので、そういうことも活かせそうな気がしたんです。ところが入ったら、建築の勉強は想像よりめちゃくちゃ難しくって(笑)。本当に本当に大変でしたよ!

2023.03.29(水)
筆者=石津文子
撮影=釜谷洋史
ヘアメイク=佐々木渚香
スタイリスト=有賀多見(plus81costume)
通訳=Manorung Wisalya (EMU THAILAND CO., LTD.)