原点回帰して、これからは“漫談”が流行るんじゃないか

 あと好きなのは永田敬介ですよね。「ブクロフライ!!!(by stand.fm)」(さらば青春の光・東ブクロとパンプキンポテトフライのラジオ番組)にも出てもらいましたけど、不遇のピン芸人。

 「スパナペンチ」というコンビで学生時代から大活躍して、そのままプロでもものすごい注目を浴びてたのに、どんどんどんどん不遇な環境になっていって。今は、チョロQで言うと後ろにMAXまで引っ張られている状態。これで報われないとあまりにもかわいそうなので、なにかきっかけを作ってあげられたらと思いますよね。

 最初に見るなら「ディズニー」がおすすめ。不遇な感じを凝縮した叫び、膿が出てるとういうか、ドロドロとした負の感情が溢れ出ちゃってるのがいいんです。

 人生そのものがネタというか、ネタに人生そのものを詰め込んでいるんです。それって舞台上の何分間だけで勝負しているのとは迫力が違う。背負ってきたもの全部をぶつけてる。

 少し話がそれるんですけど、最近、(漫才やコントの)ネタの精度がものすごい上がってるじゃないですか。例えば音響とかにもこだわったり、もう行き着くところまで行ってる気がする。だから、これからは逆に原点回帰していくような、漫談とかが流行るんじゃないかと。

 そうなったときに、永田くんとか、小松海佑さんとかが強いんじゃないかと。“べしゃり一本”が逆に評価される時代が来るのでは? と思います。漫談というジャンルに注目しています。

 それで言うと、元赤もみじの村田(大樹)さんの“怒り漫談”も最高です。村田さんも大好きだ! あの人ってキレ芸なんですけど、人をキレさせることも天下一品。

 年末に、三四郎のラジオの年越し特番で(元うしろシティ)阿諏訪さんと村田さんがおせちを作るという企画があったんですけど、真剣におせちを作ってる阿諏訪さんの横でずっと茶々入れて、最終的に阿諏訪さんをブチギレさせるっていう(笑)。新境地! と思いました。キレるのがうまい人ってキレさせるのも上手いんだ、って。

 今観られるものなら、「タイマン森本」(トンツカタン森本のYouTube)とかがおすすめかも。

 もっとコアな人だと、ヒガ2000さんっていう人。去年、「DAIJOUBUだよ!」っていう歌ネタを見たんですけど、僕が2022年に見たネタで一番面白いと思ったネタなので、ぜひ見てください!

2023.02.10(金)
文=ライフスタイル出版部
撮影=平松市聖