■ZARD『揺れる想い』(1993年)/大塚製薬(ポカリスエット)

 『時間よ止まれ』『RIDE ON TIME』の頃、CMタイアップはまだ物珍しい手法でしたが、1990年代になると、かなり一般化、それどころか「(CMやテレビ番組の)タイアップがなければヒットしない」という時代が到来しました。

 1990年、私は広告代理店に入社するのですが、広告業界と音楽業界が、どんどん近接していくさまを、若手社員として目の当たりにしていたのです。

 そんな広告業界の中で「あのタイアップはいいね!」「CMと楽曲の相乗効果が見事!」と称賛されたのが、1993年、一色紗英が出演したポカリスエットのCMでした(という説明だけで映像が浮かぶ中年世代は多いのでは?)。

 コピーは「アッツアツの国」。真夏のビーチで黒い水着を着た一色紗英が、彼氏(?)といっしょにはしゃぐだけの構成なのですが、映像、音楽、そして商品・ポカリスエットの連携が見事で、タイアップの理想形と評されました。

一色紗英さんインスタグラムより

 ZARDを擁した音楽制作会社=ビーイングは、CM表現と見事に融合するタイアップソング作りで、音楽シーンを席巻します。このビーイングの登場も、1990年代が「日本タイアップ最強時代」となる大きな要因となったのです。

2023.02.05(日)
文=スージー鈴木