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爽やかさと儚さ。ため息がこぼれるマスカットのひと皿

 たとえば、淡い色合いと繊細さにため息がこぼれる「シャインマスカット ソルベとグラニテ シャンパンジュレとパンプルムース」は、シャインマスカットならではのフレッシュで気品あふれる香りを全面に打ち出したひと品。

 フレッシュなシャインマスカットとバニラのエスプーマ(軽やかな泡状のムース)、シャインマスカットのソルベが重ねられ、上にはキラキラと輝くシャンパンのジュレとほぐしたグレープフルーツの実が散りばめられて、まるで宝石のよう。上にのせられた極薄のアメが、儚さをより一層際立たせます。そして仕上げに、白い冷気を放つシャインマスカットのグラニテを雪のようにさらさらと。口に含めばマスカットのみずみずしい香りが弾けて、華やかなシャンパン、甘やかなバニラと混じり合い、グレープフルーツの酸味と苦みが複雑味をプラス。そのひとひねりが心憎くて、清々しさにうっとりしてしまいます。

イチジクが放つ、濃厚でエレガントな秋の気配

 一方、「無花果の赤ワイン煮とクラフティ マスカルポーネアイスとメレンゲ」は、赤ワインでコンポートにしたイチジク、メレンゲ、バラのコンフィチュール、マスカルポーネ、イチジクのクラフティ、バラの香りのエスプーマの組み合わせ。フランボワーズとザクロ、真っ赤なバラの花びらが、艶やかに皿を彩ります。

 「主役はイチジクとマスカルポーネのアイスクリーム。イチジクもフランボワーズもバラ科のフルーツなので、バラの華やかな香りをまとわせました。食感や温度の違いも楽しんでいただけるかと思います」と、森田さん。その言葉通り、繋がりのある素材同士の香りが口の中で混じり合い、広がる香りは秋らしい落ち着きを見せつつ華やかでエレガント。深みある調和を堪能できます。

 「複雑すぎず、シンプルななかにも何かしら発見のある味わいを提供したい」というのが、森田さんの思い。アシェット・デセールに加え、ランチタイムにはソバ粉のガレットやキッシュ、パスタといったカジュアルな料理も提供され、金曜・土曜の夜には、10皿の料理&デザートに6杯のドリンクをペアリングした、完全予約制のディナーコースも! 織りなされる豊かな世界観に、心が躍ります。

Libertable(リベルターブル)

所在地 東京都港区赤坂3-6-10 1F(イートイン)
電話番号 03-3583-1139
営業時間 12:00~21:00(正面にあるショップは11:00~)
定休日 日曜日、不定休あり
https://libertable.com/

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2022.09.27(火)
文=瀬戸理恵子
写真=鈴木七絵