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夢のひとつだった朝ドラ出演。“肩書き”のなかった前田公輝の現在地

 俳優の前田公輝さんは、充実のいまをかみしめていた。

 この日は、午前中から前田さんのセカンド写真集『ちゅらたび』のプロモーションに奔走。まもなく夕方を迎える頃から、本取材はスタートした。

 サービス精神旺盛の彼のこと、きっとしゃべり疲れているのではと尋ねてみるも、「いえいえ、全然!むしろこうして取材してくださることで、自分のことも見つめられるし、すごくいい時間なんですよ」と屈託のない笑みを浮かべ、答えてくれた。

 6歳に芸能界入りして切れ目なく活動し、現在31歳。夢のひとつに掲げていた朝の連続テレビ小説(「ちむどんどん」)への出演も果たし、上昇気流に乗っている。晴れやかな表情、その心は何を思い、感じているのか。

 CREA WEBでは“前田公輝”という人物をより深く、鮮明に、正確に知るべく、前後篇でロングインタビューした。

【後篇を読む】前田公輝をもっと知るためのQ&A 砂川智でも轟洋介でもない素顔に迫る


ルーツを感じている沖縄で過ごした時間が一冊の写真集に

――本インタビューでは前後篇にわたり、これまで&今&これからの“前田公輝”を知り尽くしたいという主旨になります!

 え、本当ですか(笑)! ありがとうございます。

――まずは『ちゅらたび』のことからお伺いします。完成した写真集を見て、いかがでしたか?

 撮影しているときから、読者の方が僕と一緒に旅をしている感覚になれたらいいな、と思っていました。実際、僕自身が楽しんで行きたいところをリクエストもしたので、距離感近く撮影してもらったなあと思います。天気もすごくよかったですし、最高の時間でした。

――リクエストした中でも「特にここは!」という外せない場所はどこでしたか?

 巨大シーサーです。ネットで調べて気になって、ずっと行きたかった場所でした。正味数分くらいで短かったんですけど関係なく、これからのパワーをもらいたい思いもあったので、本当にいい時間を過ごせました。

 実は、僕は自分のルーツが沖縄にあるような気がしているんです。(出演していた)『天才てれびくん』の企画で半年間沖縄に通っている時期もありましたし、今出演している『ちむどんどん』は沖縄を舞台にした朝ドラですし、関東圏以外で過ごした時間が一番長いのは沖縄で。それに……生まれ月が4月3日(シーサー)でもありますし(笑)!

――なるほど(笑)。カヤックに乗るようなアウトドアシーンも収められていますね。

 カヤックは初めて挑戦しました。自然と触れ合うような施設になっていて、アスレチックの遊具もあるし、水牛や黒豚もいたりする開放的な場所でした。敷地もすごく広かったですし、沖縄ならではと言いますか、大自然と触れ合えたのが良かったです。生命力みたいなものに僕もすごいパワーをもらえたので、『ちゅらたび』を手に取ってもらえる人にも、そうしたエネルギーを感じてもらえたら、とも思います。

2022.09.22(木)
文=赤山恭子
撮影=深野未季
ヘアメイク=松田蓉子
スタイリスト=千葉 良(AVGVST)