バッグメーカーの「エース」が、フェムテック分野に進出した。

 ブランド名は「pace」(ペース)。

 今年5月にローンチしたのは、吸水サニタリーショーツ、デリケートケアミスト、和漢ブレンドティー、CBDオイル。

 エースといえば、実力派の「プロテカ」のスーツケースが有名だ。1953年に日本初のナイロン製バッグを開発した企業でもある。ナイロン製のバッグを中心に、オロビアンコ、マッキントッシュフィロソフィー、アディダスなどのバッグも製作している。

 スーツケースやバッグは女性の愛用者も多い……とはいえ、フェムテックはちょっと畑が遠うような?


吸水ショーツを立案したのは24歳の女性社員

 エースのフェムテック事業は、社内での新規事業企画に応募した若手社員のプランが採用されたもの。

 立案した市川美樹さんは応募当時、入社3年目、まだ24歳だった。大学では会計学を専攻し、経営戦略部門で財務諸表を作る仕事をしていたそう。

「私自身も以前から吸水ショーツなどフェムテックのアイテムに興味がありました。鞄を通じて『ひとの移動をサポートする』ことがエースの企業ビジョンです。その企業ビジョンを拡大解釈して女性の人生を『長い旅路』=『移動』にたとえ、女性の移動とフェムケアをトータルにサポートするものを提案したんです」(市川さん)

 まず吸水ショーツ。旅行などの移動先では、たくさん歩いたり、長時間乗り物に乗っていたりと、普段と異なるペースで行動することが多いから、paceの吸水サニタリーショーツは履き心地を特に重視したという。

2022.09.02(金)
文=CREA編集部