漠然と写真集のような形あるものにしたいと思っていた

――どのくらいから写真集という形でまとめようとなったんですか?

石田 漠然と写真集とか形になったらいいなとは思っていましたけど、具体的になったのは、撮り始めてから結構経ってからなんです。

八木 何かいずれあるかもって思ってインスタに写真上げない方がいいですか? って聞いても全然いいよって言ってましたもんね。

石田 ちょっとずつ出していくぐらいがちょうどいいかなって思っていたんだよね。

――写真集の中で思い出に残っている写真を教えてください。

八木 私はかもめの写真。写真もそうだし、この時の撮影が凄く印象に残ってる。この撮影は写真集作ろうって決まった後、初めて撮影に行った時なんですよ。北海道の小樽の「青の洞窟」を見に行こうってなって。

 もうね、波が凄いんですよ。バッチャンバッチャンかぶって、全員びちゃびちゃになってしまって。その思い出が強烈で、青の洞窟は見たけどおぼろげです(笑)。

石田 私は、最後に北海道に行って撮った写真かな。表紙の写真もその時ので、大好きな写真。私がグラスを持って、グラスを通した太陽の光が八木ちゃんの目に当たっている。その光を写したかったんです。八木ちゃんが最初に写真集の表紙を見た時に「目がキラキラしてる」って言ってくれたのは嬉しかった。

 実はこの時の撮影は一番予定してなくて。今年の2月に撮影したんですが、もうセレクトとかデザインとか、編集作業が始まっている時で。この時八木ちゃんは映画の撮影で長期間北海道に行ってたんだよね。

 なかなか東京に戻ってこれない状況だけど、編集作業を始めた中で1回ちゃんと八木ちゃんに会いたいなって思って。3日前に決めて日帰りで北海道に行ったんです。昼前についてご飯食べて、散歩して、お茶して、次の日も八木ちゃんは仕事だから、夕方に解散。もうフィルム1本ぐらいかな、撮ったのもちょっとだけでした。

2022.06.30(木)
文=CREA編集部
写真=山元茂樹