結婚の形もアウトローで

ケイ子 そして、これをお伝えするのは心苦しいんですが……恋愛について。

村上 あああ! そんな入りから来たら不安になるじゃないですか(笑)。

ケイ子 「恋に恋する恋愛体質」という星を持っています。好きな人ができるとそのことで頭がいっぱいになってしまって、仕事に影響を及ぼしがちです。

 母性本能がくすぐられる男性に弱くて、この人は私がいないとダメだってすぐ思ってしまうんですね。

 ですから適度な距離を保つことが重要です。そして、結婚の形も宿命のようにアウトローがよくて、例えば2拠点生活だったり、あと海外との相性もすごくいいですね。

村上 え、(ボソッと)海外の方、いいですね。

ケイ子 そう、海外の方や年上の少年のような男性がお好きみたいですね。品があって少年のような方だとどっぷりはまってしまいます。逆に品格がない人は嫌だと思っている。

村上 はい、そうかもしれません。

ケイ子 なので、仕事とのバランスに気をつけながら恋愛するのがベスト。

 以上の5つが村上さんの宿命です。「赤ちゃんの星」は笑顔が素敵なのでイメージどおりだなと思う反面、「アウトロー」はなかなか意外でした。度胸のよさは強みでもあるので、いろいろなことに果敢にチャレンジするというのが宿命に入っていると思います。

村上 「赤ちゃんの星」というのは納得です。というのも、仲のいい人は5つ以上年上が多いんですよ。織田(信成)くんも8つ離れているし、(浅田)真央ちゃんも4つ上。東京に来てできた友だちも30代、40代の方が多いんです。「赤ちゃんの星」が関係しているのかもしれないと思ってきました!

ケイ子 そしてバイオリズム、つまり人生がどういう流れに進んでいくかというところを見てみましょう。村上さんの場合「1歳運」と言って、1歳、11歳、21歳、31歳、41歳……と、一桁が1歳の時に人生の価値観が変わっていくんです。まず、1歳から11歳の10年間は、かなりストレスが多かったのではないでしょうか。

村上 そう、そうなんです。6歳上のお姉ちゃんの影響でフィギュアを始めて、最初は自由に遊んでいて楽しかったんですが、あるときから急に期待が私に向いてきて。怒られてばかり、泣いてばかりでストレスだらけの毎日でした。

ケイ子 ただ、11歳から21歳の10年間は「戦いの神様」が味方をしてくれていたはずです。スケート選手としては絶好のタイミングですね。

村上 え、すごい! ばっちりその通りです。そこに私の人生がぎゅっと詰まってます。

ケイ子 そして、「天中殺」という人生の分岐点が誰にでも10年ごとに訪れるんですが、村上さんの場合はそれが2012年から13年、18歳から19歳の頃にやってきました。恐らく、自分のコントロールが及ばないことが起きる苦しい2年間だったと思います。

村上 14年にソチオリンピックに出場したので、その前ですね。18歳は新しいジャンプに挑戦する怖さを知った頃で、いい気分で試合に臨めなくなってしまいました。どれだけ練習しても試合で失敗しちゃう怖さがあったんです。

 でも、19歳の時、オリンピック前の全日本選手権で不思議なことが起こりました。私、ものすごい緊張しいで、試合の前はだいたいマイナスのことばかり考えていたんですが、そのとき初めて、よく言われる「ゾーンに入る」という状態になったんです。他の選手の高いポイントを聞いても全く気にせず「大丈夫」って思えたんですよ。

 そんな経験は後にも先にもその1回だけで、そのおかげでオリンピック出場権を得ることができました。

2022.05.04(水)
文=嵯峨崎文香
写真=深野未季
イラスト=中村桃子