丁寧にいれられた台湾茶とお茶菓子を楽しむ

 お茶菓子をご紹介しましょう。

 取材日は、おなじみの「パイナップルケーキ」と、さつまいもを入れたもちもち生地で小豆餡を包んだ「さつまいも餅」。さつまいもは低温のオーブンで蒸し焼きにして旨みを引き出しているのだとか。

 どちらも控え目な甘さで、お茶の香りや味をじゃましません。

 最近、新たに登場したのが「 馬拉糕(マーラーカオ)」。

 さつまいもの風味を生かしたオリジナルで、しっとり、むっちりした生地。くるみ、松の実の食感や、ほのかなキンモクセイの香りがアクセントです。

 「さつまいもは神戸市北区淡河の農園のもの。地元の食材を色々使っていきたいですね」と藤井さんは言います。

 藤井さんが作るお茶菓子にぴったりなのが台湾のお茶。

 今は「花蓮蜜香紅茶(かれんみつこうこうちゃ)」「阿里山金萱茶(ありさんきんせんちゃ)」「杉林溪翠玉烏龍茶(さんりんしーすいぎょくうーろんちゃ)」「日月潭紅玉白茶(にちげつたんこうぎょくはくちゃ)」「翠峰貴妃烏龍茶(すいほうきひうーろんちゃ)」「北埔東方美人茶(べいぷーとうほうびじんちゃ)」の6種類。

 それぞれのお茶の特徴など詳しく説明してもらえ、器も数種類から選べます。

 劉さんのきれいなお手前にうっとり。いれ方を教わり、何煎もゆっくり自分のペースで楽しめます。

 「器は兵庫・丹波の作家さんとコラボしていきたいですね」と劉さん。「古い欄間などを生かした2階スペースもオープンして、イベントなども開催します。台湾風のアフタヌーンティーもやりたいですね」と藤井さん。

 お茶もお菓子もお料理も、ますます魅力を増していくでしょう。塩屋の街で、台湾気分に浸れる素敵なカフェです。

「Ryu Cafe」

所在地 兵庫県神戸市垂水区塩屋町3-8-4
Instagram @ryucafe_kobe
Facebook @ryucafekobe

Column

そおだよおこの関西おいしい、おやつ紀行

生まれも育ちも神戸の生粋の神戸っ子で、長年の関西での取材経験からおいしいお店を知り尽くしている、ライターのそおだよおこさんが、関西の「今、食べてほしい!」というおやつを紹介します。

2021.11.14(日)
文・撮影=そおだよおこ