60年以上の歴史を守りながら進化するスリッパー

左:鼻緒が入る穴を開ける作業
右:彼のお腹と手の感覚で、指股が痛くならない絶妙な鼻緒のフィット感が作られます

 バーニーズニューヨークやJ Crewなどとのコラボ商品はどれも欲しくなる、魅力あるデザインのものばかり。最先端をいくハワイ発のサンダルですが、創業当時からのハワイらしさは大事に守られています。ワイキキから30分ほど西にいったパールシティにある工場では、いまだに精密機械を使わない昔ながらの工場で、従業員が毎日手作りしています。型にあわせて革を裁断する人、サンダル底を貼付ける人、鼻緒をくくりつける人、すべて流れ作業で行われる製造過程。シンプルすぎて、かわいすぎて、驚くほどです。

左:ボンドをつけていく作業は手早くリズミカルに。そのあとの乾かす工程は丁寧に
右:オーナーのジョンさんは大きな声で熱くスリッパーについて語るアロハな方

 創業者は日系人のエドワード・モトナガ氏。父親のタキゾウ・モトナガさんが、原型となるサンダルの形を作ったといわれていますが、アイランドスリッパー第一号となるサンダルは、日本の雪駄のような形、デザインでした。ごろんとしているけど、かっこよさがある雪駄はまさにアイランドスリッパーのフィロソフィ。

 1985年から引き継いだ現オーナーのジョン・カーペンターさんは「昔からの製法は変えない。でも、新しい時代にあったもの、いいものはどんどん取り入れて、進化するスリッパーメーカーでいたい」と言います。60年以上の歴史を守るのはもちろん、デザインから製造までをすべてハワイで行うポリシーを貫くのは努力なしには出来ないこと。12時になったとたんに、「ご飯だよ~」とみんな一斉にお昼休みに入る工場を切り盛りするお父さん的存在のジョンさんは、従業員みんなに愛される人気者です。

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2013.06.27(木)