何もかもが慌ただしいこの現代、心も体もリラックスして、チルアウトしたいですよね。そんな開放的な気持ちにしてくれるミュージックを音楽好きの皆さんにおススメしてもらいました。

 今回は「今注目のレコードと〇〇」の連載で紹介した「BLOW UP」の北村圭士郎 a.k.a. CHINTAMさんに秋の夜長にリラックスしながら聴くのにぴったりなレコード5枚を聞きました。

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① Build An Ark『Peace With Every Step』

 西海岸を拠点として活動しているBUILD AN ARKが2004年にリリースした1stアルバム。西海岸アンダーグラウンドシーンのキーパーソンであるCarlos Nino(カルロス・ニーニョ)が中心となり、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロがプロジェクト結成のきっかけという秘話を持った、名プレイヤー総勢20名で構成されたグループ。カバー楽曲を中心に、良質なオリジナル楽曲が散りばめられた最高なスピリチュアル・ジャズ・アルバム。

「ソウル系でも定番の楽曲『Always There』をカバーしているのですが、BUILD AN ARKのアレンジはゆったりと身を委ねたくなる心地良いグルーヴ感があります。夏が終わり少し涼しくなって来た今の時期、風を感じながらまったりと聴きたい一枚です」(CHINTAMさん)

② Gary Bartz『Music Is My Sanctuary』

 サックス奏者のGary Bartz(ゲイリー・バーツ)が1977年にリリースした本作は、Larry & Fonce Mizell(ラリー&フォンス・マイゼル)兄弟のSky High Productionsがプロデュースした「Rare Groove」の名盤。アルバムタイトルにもなっているSyreeta Wright(シリータ・ライト)がボーカルで参加した「Music Is My Sanctuary」は人気楽曲。

「アルバム内の一曲『Love Ballad』は、Skip Scarborugh(スキップ・スカボロー)作でGeroge Benson(ジョージ・ベンソン)やL.T.D.などのカバーでもお馴染みの楽曲ですが、ブロウするGary Bartzの熱いサックスにSyreeta Wrightの透き通るような美しいコーラスワーク、Sky High Productionsらしい極上なメロディアスな展開ともに最高過ぎる内容です。秋の夜長のなかでも深い時間に聴きたい1曲」(CHINTAMさん)

③Natural Four『Heaven Right Here On Earth』

 カリフォルニアのオークランド出身の4人組みソウル・ヴォーカル・グループのNatural Fourが1975年にリリースした3rdアルバム。プロデュースはシカゴ出身の音楽グループ・Impressionsの元リード・ヴォーカルのLeroy Hutson(リロイ・ハトソン)。西海岸らしい爽やかさとシカゴ・ソウルのバランスが絶妙なソウルの大名盤。

「アルバムの12曲目に入っている『Count On Me』は、心地良く揺れるエレクトリックピアノ、エンディングに向けて高らかに歌い上げる感じなど、気が付くと自然と身体が揺れてしまいます。ファルセットも含め、このグループの真骨頂といえる極上なミディアム・メロウは永遠と聴いていられます」(CHINTAMさん)

④ Sunrize Ltd.『Until My Love Returns(Pizzazz)』

 デトロイトのマイナーレーベルからリリースされた極上なジャズの名盤。マイナーからのリリースでありながら、演奏や楽曲のクオリティーなどは非常に高く、モダンからスピリチュアルな路線も抜群な内容で収録されている。

「このアルバムの最重要楽曲とも言える『Our Love Will Glow』。恐ろしく完成された流れるメロディーに撃沈され、またドラマチックに展開される曲の構成、胸に突き刺さる美しい旋律のエレクトリックピアノ……。聴くたびに“神様本当にありがとう!”という気持ちになります。まるで魔法の様な楽曲です」(CHINTAMさん)

⑤ 西岡恭蔵『ろっかばいまいべいびい(Orange)』

 細野晴臣との共同プロデュース作である、シンガーソングライター西岡恭蔵の3rdアルバム。演奏は鈴木 茂&ハックル・バックが担当し、石田長生、金子マリも参加しており、最高の布陣と言える。B-sideは細野晴臣と二人で制作した内容からノスタルジックな世界観を感じる事が出来る一枚。様々な曲調の楽曲が満載で宝箱的に存分に楽しめ、また時代の情景が目に浮かんでくる。

「曲の始まりから最高なレイドバック感満載で幕を開ける『ファンキー・ドール』。絶妙なオルガンとエレクトリックピアノの音色の絡みに誰もが心を鷲掴みにされてしまいます。アーバン具合も感じられる心地良いミディアムなテンポに身を委ね、後半に向かい上がっていくジャジーで極上なニュー・ソウルを存分に堪能してほしいです」(CHINTAMさん)

BLOW UP

所在地 東京都渋谷区道玄坂1丁目15-3 プリメーラ道玄坂106B
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営業時間 15:00~21:00(ラストオーダー・お酒の提供は20:00まで)
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2021.10.19(火)
文=CREA編集部