シルバーに輝く“たてがみ”は子どものうちだけ!

 チーターの子どもたちの特徴といえば、ふさふさとしたたてがみ。日の光に透けるとシルバーに輝き、神々しくさえあります。

 大人のチーターは昼間に狩りをするため、子どもたちは藪の中に隠れて親の帰りを待ちますが、藪の中でこのふさふさのたてがみは、見事なカモフラージュになるのです。このたてがみが見られるのは今だけです!

 また、こちらは子どもに限ったことではありませんが、チーターの顔には「ティアーズライン」と呼ばれる模様があります。これもチーターの大きな特徴。

 これは、昼間狩りをするという習性から、眩しさを軽減するためにできた模様だといわれています。野球やアメリカンフットボールの選手が目の下に黒いシールを貼るのと同じ効果。チビの頃からちゃんとあるんです。

鳥そっくりの声で鳴くチビチーターたち

 また、びっくりするのが、チビチーターが“声マネ”をすること。「ぴーーっ」という甲高い鳥の声がたびたび間近で響くので、どこかに大きな鳥がいるのかと思いきや、なんとチビチーターの声だというではありませんか。

「本当に鳥そっくりの声で鳴きます。やはり藪の中で親を待っているときに、敵にバレないように鳥のような声で呼ぶんです。チュンチュンと聞こえるときもありますね。ネコ科らしくニャーと鳴くときもあれば、なぜかワン! と鳴くときもあり、鳴き声はとても多彩で面白いです」(中村さん)

 誰に教わることもなく、声マネができるチーターたちですが、チーターといえば俊足。大人のチーターは時速100キロ以上の速さで走ることができます。千葉市動物公園のチーター舎は「チーターラン」ができるほど広大で、子どもたちも全速力で走り回ることができます。こちらも、習わずとも遊びながら足を鍛えて俊足になっていくようです。

 広い敷地で突然駆けっこや取っ組み合いが始まる6頭のチビチーター。見ていて飽きることがありません。本人たちはきっと大人になるために、まじめに勉強中! なのですね。

2021.10.07(木)
文=CREA編集部
撮影=深野未季