『ヒロアカ』大ファンを公言している吉沢さんに聞いた撮影秘話

 快進撃が続く、俳優の吉沢亮さん。作品ごとにまったく異なる顔を見せ、巧みな演じ分けで観客を引き込む。そんな丹念な演技こそ吉沢さんの特徴、実直な姿にオファーが引きも切らないのも頷ける。

 2021年8月6日(金)より公開される劇場版『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション』では、声優業にチャレンジ。

 『僕のヒーローアカデミア』は、“個性”という超常能力を持つヒーローたちが敵(ヴィラン)と闘う物語だ。本作では、ヒーローインターン中のデク・爆豪・轟らが、世界中の“個性”保持者の殲滅をもくろむ謎の集団ヒューマライズに立ち向かっていく。

 吉沢さんは、デクと行動を共にすることになる劇場版オリジナルキャラクターのロディ・ソウルとして躍動した。大ファンであった『ヒロアカ』出演に胸をときめかせた吉沢さんが、思いの丈をインタビューで語った。

 さらには、現在大河ドラマ撮影に勤しむ吉沢さんが、オフの日に楽しんでいること、「実はこんな一面も……」という“ワル吉沢”な一面まで明かし、飾らぬ素顔がほの見えた。

いつも見ている『ヒロアカ』の世界に自分も入れるという喜び

――普段から『ヒロアカ』ファンを公言されていた吉沢さんですが、こうして劇場版の出演が決まったお気持ちを改めてお伺いできますか?

吉沢 素直に嬉しかったです。いつも見ている『ヒロアカ』の世界に、自分も入れるという喜びがありました。あとは、過去に一度声優をやらせていただいて、難しさももちろんあったんですけど、「またやってみたいな」という思いがすごく強かったので、『ヒロアカ』でチャレンジできることも同時に嬉しかったです。夢が叶いました(笑)。

――本当におめでとうございます。通常「ゲスト声優」だと、短いシーンで終わることも多いですが、吉沢さんは最初から最後まで出ずっぱりです。そのことについては、どう感じましたか?

吉沢 僕も、こんなに出る役だとは思っていなかったから、かなりびっくりしました。僕がやったロディ・ソウルは、この物語にとって、ものすごく重要な人物なので、「こんなにストーリーに食い込んでくるのか!」と最初は純粋にプレッシャーも感じましたね。物語の最初から最後までの流れを見ている人物なので、責任重大だし、すごく気合いが入りました。

――演じられたロディ・ソウルはオリジナルキャラクターです。台本を読んだときは、どんな印象を?

吉沢 『ヒロアカ』の世界に入るなら、「ヒーローか敵(ヴィラン)かどっちかだな!」と勝手に思っていたので、「あ、違う目線からの登場人物か」と、ちょっと驚きを持ちました。

 台本を読み進めていくと、すごく感情移入できるキャラクターで。ヒーローたちを見ている目線の人物なので、もしかしたら、この映画を観る人たちの目線に一番近いキャラクターなのかな、とも思いました。

――ロディの魅力を、特にどんなところに感じていたんでしょう?

吉沢 ロディがデク(主人公)と触れ合って成長していくところです。ロディの今までのバックボーンから、ヒーローや周りの人間を信用できなかったけれど、デクと行動を共にすることで、少しずつヒーローの認識や考えを改めていく。そうした彼の人間としての成長が、見ていて純粋に応援したくなるなと、台本を読みながら思いました。

――お話しされたキャラクターの成長という部分は、『ヒロアカ』の作品そのものの魅力にもつながりますよね。

吉沢 『ヒロアカ』の魅力は、本当に“成長”だと思います。いきなり馬鹿みたいに強くなったりしないし、自分の与えられた“個性”をどう使うか、デクも含めて全員が試行錯誤しながら1個ずつ技を覚えたり、違う使い方をしてみたりして。

 ちょっとずつ、ちょっとずつ成長していく過程を描いているのが、見ていて熱くなるし、青春だなと感じるんですよね。そこが、僕にとっては『ヒロアカ』の魅力だと思っています。

2021.08.07(土)
文=赤山恭子
撮影=鈴木七絵
ヘアメイク=内山多加子(Commune)
スタイリング=荒木大輔