小学1、2年生くらいからボカロ曲を聴いて

——振り返っての話もお伺いできればと思うんですけど、Adoさんは中学生の頃にニコニコ動画に「歌ってみた」の動画を投稿して歌い手としての活動を始めたんですよね。音楽とはどういう出会いだったんでしょうか?

Ado もともとボカロ曲が大好きで、聴き始めたのが小学1、2年生くらいの時だったんです。従兄弟に教えてもらって、そこからずっとボカロの動画を面白いなと思って見ていたんですけれど、小学6年生くらいのときにニコニコ動画でボカロ曲をカバーする歌い手さんに出会って。ボカロ曲って人間が歌うために作られたわけではないので、メロディの高低差が激しかったり、とても歌えないようなスピードだったりするんです。そういうハイレベルで難しい曲をカバーする歌い手さんをすごいなと思って興味を持ちました。もともと根暗で自分に自信がなくて、そういう自分が嫌だったので、「歌い手なら、もしかしたら私にもできるかもしれない。変わりたい」という思いで歌を始めました。

 

——小学生の頃に好きだった曲には、たとえばどんなものがありました?

Ado 小学1年生ぐらいの時に聴いていたのは「悪ノ娘」とか「ワールドイズマイン」とか、本当に初期のボーカロイド曲ですね。歌い手さんにハマり始めた当時は『カゲロウプロジェクト』が大人気で流行っていて、『カゲプロ』の楽曲をカバーしている歌い手さんたちを何十人も聴いていたので、その影響はとても大きいと思います。あとは、初投稿する曲をどれにしようかと迷ってた時期がありまして、その時にお洒落で格好いいなと思って選んだのがクワガタPさんの「君の体温」という曲でした。

歌だけで人を魅了してるのがすごいと思っていた

——どんな歌い手さんに憧れていましたか?

Ado そらるさんやまふまふさん、お二人のユニットのAfter the Rainも好きでした。他にも、りぶさん、ウォルピスカーターさん、96猫さん、天月さん、伊東歌詞太郎さんなど、挙げていったら時間がなくなるくらい沢山います。

2021.05.21(金)
文=Ado