発掘! 高性能、高機能を極めたマスク「Airllo」

 まずは、知る人ぞ知る隠れた名品「Airllo(エアロ)」を紹介する。これはPM2.5をはじめとした大気汚染対策用に開発されたもので、医療用よりもはるかに高い性能を誇る

 一般的なメディカルマスクは、不織布の静電気で異物を濾過するのに対し、Airlloマスクは、テフロン由来のePTFEという薄い膜で作られた“Spyderweb™”で捕集するのが最大の特徴。Airlloマスクを製造する元點科技は、非常に難易度の高いePTFE膜を製造するための一連の技術を開発、その特性を活かした極薄の高性能マスクを2011年から発売している。

 “Spyderweb™”を採用した5層構造のAirlloマスクは、0.075μmの物質を捕集。新型コロナウイルスは約0.1μmとされているので、ウイルス対策用マスクとしては、これ以上ない性能といえるだろう。ちなみに、花粉は約30μm、黄砂は約4μm、PM2.5はその名の通り2.5μm以下、細菌は約1μmとされている。

 性能テストでの結果は、BFE(バクテリア濾過効率)99.8%、PEF(微粒子濾過効率)99.9%、VFE(ウイルス濾過効率)99.7%。台湾では、CNS15980(PM2.5防霾マスク)、CNS14755(防塵マスク)の認証を得ており、現時点ではメディカルマスクとしては販売されていないが、CNS15980は、N95マスクまたは、それ以上の性能とされるため、高性能マスクとして紹介したい。

 感染リスクの高い場所に出向くとき、これほど心強いマスクはないだろう。

 もともとは、大気汚染が原因で年間700万人もの人々が亡くなる世界の状況に鑑み、“汚れた空気から身を守る”ために開発されたものだが、発売から10年経った今、それ以上の脅威である新型コロナウイルスの収束に向けて貢献する形となった。大気汚染対策用であるアドバンテージは、まだまだある。

「医療用マスクというのは、本来、数時間の手術または診察に使われることを前提に作られていて、その効果は4〜6時間と言われています。これは、不織布が湿気を吸うことによって静電気が発生しづらくなり、異物の捕集能力が落ちてしまうから。

 また、台湾製の多くの不織布マスクは保存可能期限が5年となっていますが、フィルター機能は、それぞれの品質や保存状態によってどんどん低下していきます。特に紙の箱に入ったままでの保存は湿気によるダメージが大。

 対して、ePTFE膜の微細な穴に異物を引っ掛ける形で濾過するAirlloマスクには、こうした弱点はありません。製品化したのが10年前なので、それ以上遡ったデータを示すことはできませんが、少なくとも10年は機能が持続することがわかっています。

 また、大気汚染から身を守ることを想定して作られており、1日中の着用が可能な快適さを実現しているのも、コロナ禍での使用に適しているといえますね」

 そう語るのは、元點科技有限公司・CEOの李子赫(スタン・リー)氏。聞けば聞くほど、一般的なメディカルマスクとの次元の違いに圧倒されてしまうが、Airlloマスクのすごさは、これだけではない。

2021.02.12(金)
文=堀 由美子