図夢歌舞伎『弥次喜多』の収録現場に密着!

 江戸時代の人物の扮装でなぜかレジかごを持ち、決してカッコイイとはいえない表情で笑みを浮かべているのは松本幸四郎さん(右)と市川猿之助さん(左)。

 そしてコスプレまがいのド派手な衣裳でふてぶてしくしゃがみ込んでいるのは市川染五郎さん(左)と市川團子さん(右)です。

 まるでコントのようなシチュエーションですが、演じているのはまぎれもなく歌舞伎の役です。

 歌舞伎ではあるのですが、観ることができるのは劇場ではありません。なぜなら配信による図夢歌舞伎(ずぅむかぶき)だからです。

 図夢歌舞伎とは幸四郎さんを中心に2020年夏に誕生したオンライン歌舞伎公演のことで、それぞれが扮しているのは図夢歌舞伎第2弾として制作された『弥次喜多』の登場人物、弥次郎兵衛と喜多八、梵太郎と政之助なのでした。

 幸四郎さん、猿之助さんの弥次喜多コンビといえば、歌舞伎座で4年連続上演された超人気シリーズ『東海道中膝栗毛』があります。それをシンプルなタイトルにした最新作がAmazon Prime Videoで独占レンタル配信することになったのです。

 いったいどのような作品なのでしょうか?

 ラッキーなことに撮影現場にお邪魔させていただきましたので、その様子を含めて『弥次喜多』についてさまざまな角度から紹介していきましょう。

2020.12.26(土)
文=清水まり