『棚からつぶ貝』(文藝春秋)は、世界を飛び回るイモトアヤコのエッセイ集!

 旅で出会った人、芸能界の友人、大好きな家族……世界中を飛び回りながら、著者が出会った大切な人たちを綴った、初のエッセイ集です。

 その中から、大切なあの人について綴った一節を特別転載します。

「生まれて初めて芸能人の先輩とのご飯」を読む


ウチの妹

 先日、母校の小学校の創立 50 周年式典に卒業生としてサプライズ参加してきた。

 のはずだったが、そこは鳥取の田舎。なかなかお茶目な演出にお出迎えされ、結局生徒さんのほとんどに私が来ることはバレていた。

 今回の記念式典はPTAの皆さんが一丸となり企画されたもので、そのPTA役員のなかに何を隠そうウチの妹がいるのだ。年子の妹には現在3人の娘がいて、そのうち2人が今回参加した式典の小学校に通っている。

 姉の私としては妹がPTAにいること自体がなんだかとても不思議。妹は紛れもなくお母さんで、すごく大人に感じた。

 妹とは年子ということもあり、小さい頃から何でも話せる親友のような存在だった。性格は全く違い、私は幼い頃から目立ちたがり屋でひょうきんで好奇心のおもむくままに行動していた。

 対して妹は何事にも慎重で目立つのが大嫌い。デパートやお祭りや旅行に行くとそれは顕著に表れ、いつも迷子になりアナウンスされるのは私、妹は母の手を決して離さなかった。お小遣いやお年玉をもらっても私は思うがままに値段も見ずにレジに突き進み、妹はきちんと貯金をしていた。

 とまあ、このように聞くと私の方がとても無鉄砲でロックな感じがするが、実のところ誰よりもロックなのは妹だと思っている。

 とにかく妹はおとなしいがハッキリしているのだ。色んな誘惑やしがらみなど関係なく、自分が信じたもの、大切にしていることをハッキリと行動にできる超かっこいいオンナなのだ。

 正直私はその場の空気や人の意見に流されることが多い。本当はこうしたいけど、今はあっちに合わせた方がいいのではと行動してしまうことが多々ある、かっこ悪いオンナである。

 そしてそんな妹のロックでかっちょいい姿は、今回の記念式典でもいかんなく発揮された。

 50 周年式典ということで、PTAの皆さんは特別に記念Tシャツを作っていた。

 先生、生徒、それに作ったPTA役員は式典中、(私が言うのもなんだが)けっしてスタイリッシュとは言えない水色のTシャツをほぼ全員着ていた。なんなら私もその場の雰囲気に押され、危うくセーラー服を脱ぎ捨てそのTシャツでサプライズしかけたくらいだ。

 ステージに登場し、生徒さんや保護者の皆さんの有り難い歓声に嬉しく浸ってるその時だった。

2020.12.13(日)
文=イモトアヤコ